第5章 汝平和を欲さば戦に備えよ
第46話 ドラグ・スレイブ
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「ハアッ!」
裂帛の気合のもと、先に仕掛けたのははやてだった。
騎士杖シュベルトクロイツを槍のように扱い、神速の突きを繰り出す。
並の存在ならばその一撃だけで勝負がつく。それだけの威力。
「ファファファ、甘い!」
「くっ」
ハーデスもまた槍使い。一合、二合と槍を合わせるが、互いに一歩も引かない。
槍を合わせるごとに、衝撃波が発生し、神殿を破壊していく。
プルートたち死神を含め、ヴォルケンリッターも手出しができずにいた。
双方とも自らの主が勝利すると信じているからこそ、固唾をのんで見守る。
何十合と繰り返したあたりで、ハーデスは痺れを切らした。
「消えた……?」
はやては考える。
ハーデスは姿を消す宝具をもっていた。それか。
だが、それは悪手だ。
クラウ・ソラスで動きを止めて、
「――闇に沈め」
『Diabolic Emission』
術者を中心に広域殲滅魔法を放つ。すべてを飲み込むような闇が広がる。
後に残ったのは、ボロボロのハーデスだった。
(サービスとして、決め技は、アレをやってみるか)
◆
ダメージで身動きが取れない。
神たるこの私が手も足も出ないだと……!?
それに、先ほど詠唱を始めてから感じるこの気配は一体なんだというのだ。
「あ、ありえん。その力……魔王の力だと…しかし奴らが貴様に力を貸すなど」
「冥府の土産に教えてやろう。魔王は魔王でも異世界の魔王だ。括目せよ! 赤眼の魔王シャブラニグドゥの力を! アハハハハハハッハハハ!」
理解できない。初めてハーデスは目の前の少女に恐怖を抱いた。
存在すら知らない異世界。そこにいるという魔王。
嘘だ。
ハーデスの理性が理解を拒否する。
「黄昏よりも暗き存在血の流れよりも赤き!存在――――」
得体のしれない力がはやてに流れ込むのを感じていた、
あれは、まずい。何とかしないと。身動きできず、思考のみがただ空転する。
だから、陳腐だが会話をここ試みた。
時間稼ぎだが、はやての目的を知りたいのも事実だった。
「八神はやて。貴様の目的はなんだ?」
ハーデスの問いかけに対し、意外にもはやては詠唱を中断してまで、律儀に答えた。
彼女の存在意義。目的。そして、憎悪。力こそパワー。
「つまり、サマエルが目的だと?」
「冥府の殲滅はついでに過ぎない。けど、どんなに脅したってサマエルをボクに渡そうとはしないだろう」
「あれは貴様ごときに扱える代物ではない。ただの人間ごときが……神すらも超えるつもりか?」
はやては嬉しそ
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ