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ビロング/ビサイド
ビロング
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のか。探る手が追い立ててきて身をよじる。
「ジョン、ジョン、ここじゃもう無理だ。ベッドへ」
「ベッドに行ったら、もう実験じゃない。わかってるのか?」
「僕はいつも本気だ」
「僕もさ。君のベッドでいいの?」
ソファから立ち上がったジョンがむしるように服を脱ぎながら先に歩く。小さくて筋肉質の身体だ。左肩の銃創が見えた。セクシーだ。追いついて寝室のドアを開けた。ガウンは脱いできた。最後に靴を蹴り飛ばしてベッドに上がった。胡座で向かい合って少し照れる。ベッドライトのほのかな明かりで顔が見える。
「寝室は初めて入った」
「散らかしてる」
「言っておくけど、僕がゲイじゃないっていうのは」
「うん」
「立たなかったら恥ずかしいから」
そして俯くので、つられて見る。半立ちくらい…?
「喋ってると萎える。やろう」
軽く腕を広げるので脇に差し入れて抱く。ジョンは力を抜いて前に身をまかせてくる。ヒトの身体は重い。裸の人間に裸で触れるのは初めてだ。胸を合わせて抱きしめた。倒し、上に乗る。今度は僕が上からキスをする。だんだん熱が入っていき、ジョンも応えた。唇を額へ、頬へ、喉へ。左手で支えて手も使う、腹から胸へ撫で、ジョンが唸るように喘ぎ始め、ますます昂ぶる。バイオリンと同じだ。
「シャーロック、僕に入れられるか? できるか?」
喉の奥から苦しそうに言う。苦しいのは僕も同じだった。昂りをどうしたらいいかわからなくて。
「自分の唾で濡らすんだ。滴るくらい」
這い上がった彼がベッドボードにもたれて座る。手のひらに唾を垂らして塗った。僕の首に腕を回し、脚を上げて腰に絡めてくる。
「進んで」
「どこだ」
「僕もよくわからない」
身じろぎをして探る。あ、当たった、そこに体重をかけてくる。僕も進んだ。肉と肉が絡んで引きつれる。抱えた腰から背の筋肉が激しく反応する。僕の肩につけた頭から抑えられない声が上がる。しがみついてくる。
「動け。引いて突け」
「動いたら、いってしまう」
「いっていいんだ。中に出せ」
彼の背中を壁に押しつけて動いた。中は熱い。折り畳まれたジョンは苦しいだけだろう。突くたびに息を詰めた。すぐに絶頂が来た。通り抜けて出てゆく。脈を打つ。快感の波が引く前に抜いた。ジョンを楽にしてやる。中から流れ出してシーツが汚れた。
「ジョン」
「平気だ。少し休ませて」
息が荒いまま仰向けに寝転がる。左肩の傷にキスをした。
「煙草吸っていい?」
「灰皿見えたよ。隠れて吸うなよ」
ジョンがどうしてここまでするのか、考えられなかった。快感は大きく、虚脱感がくる。煙草一本分、思考が遅回しになる。ジョンは僕を拒まない。そんなことができるのか。
「君は、よくなかっただろう」
「どうかな。慣れれば」
「フェアじゃない」
「わがままだな」

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