機動戦艦ナデシコ
1427話
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……神楽坂は以前木連の基地に侵入した時の事を覚えているのか、微妙に距離を取っているが。
そして……俺達の姿はその場で影へと沈んでいくのだった。
「……アクセル代表!? 一体どうしたんですか!?」
影から出て、白鳥のいる場所へとやってきた俺達を見て、白鳥が驚愕の声を上げる。
ちなみに直接白鳥達のいるこの部屋に姿を現さなかったのは、木連の人間の場合影のゲートで姿を現した俺達を見ると即座に敵と判断しかねないと思った為だ。
実際、影のゲートでの転移ってのは普通に考えれば正義じゃなくて敵が使いそうな技なので、何とも言えないが。
周囲の木連の兵士達も、いきなり部屋に……司令室にやって来た俺達を見て一瞬草壁の手の者かと思ったようだったが、白鳥が驚きつつも迎え入れた事で安心したらしく自分の仕事に……完全に戻ってはいなかった。
現在が大事な時だというのは分かっているのだろうが、それでもいきなり姿を現した俺達……具体的にはエリナ、神楽坂、桜咲、近衛の4人が気になるのだろう。
自分の仕事をしつつ、チラチラとこちらに視線を向けている者が何人もいるのが理解出来る。
木連の男女比を考えればしょうがないんだろうが。
しかも女4人は全員が美人、美女と呼ぶのが相応しいだけの容姿を持っているのだから、その気持ちは分からないでもない。
「お前等、彼女達に見とれてないで、自分の仕事をしろ!」
周囲に月臣の怒声が響く。
その怒声に、皆がそれぞれ自分の仕事へと戻っていくのを見ながら、こちらに向かって近づいてきた白鳥にここに来た用件を告げる。
「そこの近衛はシャドウミラーの中でも、回復魔法の使い手としてはトップクラスの実力を持っている。現在起こっている戦いは生身での戦いだろ? なら、怪我人もそれなりに出ている筈だ。だから、その回復をしたいって言ってな。……ただし、敵味方問わずだが」
敵味方問わず。その言葉が出た瞬間に白鳥は……そして仕事をしつつ、耳だけはこっちの話に意識を向けていた木連の人間が、微妙な表情を浮かべた。
「不満か?」
「……いえ。草壁中将に従っている兵士達も、木連の平和を願っているというのは変わりません。それを思えば、回復してくれるのであればありがたいです」
「そうだな」
白鳥の言葉に同意したのは、意外なことに月臣だった。
いや、本当にこれは意外だ。基本的に強気というか強硬派とでも呼ぶべき月臣が、敵を治療してもいいと言うとは思わなかった。
「草壁に捕まった事で、何か心境に変化でもあったのか?」
そう尋ねるも、月臣は鼻を鳴らして再び部隊の指揮へと……どの部隊をどこに進ませるかという指揮へと戻っていく。
「元一朗も、今回の件で色々と思うところがあったんでしょう
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