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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第3話 それぞれのバレンタインデー
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加減帰ったみたいで、随分静かになった。

「さて、俺達もいい加減帰るか」
「ちょっと待ちなさい!!私が大貧民のまま終わりなんて認めないわ!!」

連戦連勝の先輩を何とか陥れ、大貧民にしてちょっと。結構屈辱的だったのか、かなり真剣になりながら言っていた。

「でも私もこの後用事が………」
「実は私も………」
「2人のお嬢様も忙しいのでこれで終わりです」
「ううっ………」

そう言われ渋々カードを片付け始める会長。
大貧民は全てが下なのだ。
しかしこんな会長を見るのは始めてかも………

「それじゃあ………ってあれ?私達って何で生徒会室に居るんだっけ?」

ふとアリサに言われ、考える。

「………ああ!!そうだ、すずかとアリサに用があるって言われて逃げ回ってたんだ!!」

俺がそう言うと、『そうか!!』といった表情をする。

「零治君、遅くなったけどこれ!」

そう言って渡された可愛らしい袋。

「今年はクッキーにしてみたの。味はどうかちょっと自信が無いけど、良ければみんなで食べてね」
「ありがとうすずか」

袋を受け取ると何気に重い。
結構作ってもらったみたいだ。

「零治………私も………」

今度はアリサが俺に小さな袋を渡す。

「ありがとうアリサ」

アリサにチョコを貰ったのは始めての筈。
何か嬉しいな………

「アリサはもしかして料理は全く駄目なのかって思ってたよ。いやぁ、楽しみだ!!」
「そ、そう………」
「ちゃんとお礼は返すから楽しみにしてろよ」
「う、うん………」

「………無事に渡し終わったみたいね、それじゃあ部屋を閉めるからみんな出て」

会長にそう言われ、俺達は部屋から出たのだった………











「どうだったアリサちゃん?」

帰り道。零治と水無月先輩と別れた私達は車で帰っていた。

「………何か渡してみたら呆気なかった。何か色々悩んでいたのがバカみたい」
「………零治君の態度が気に入らなかった?」
「ううん、そんな事は………無くないや。本当はね、もしかしたら見込みがあるかもって少し期待してた自分がいたんだ。あの時、チョコを渡さず、フェイトと諦めてからも私はやっぱり切り替えられなかったんだと思う。チョコを渡したら完全に零治の気持ちが分かってしまう………それが怖かった」
「アリサちゃん………」
「でもやっぱり結果は予想通りだった。やっぱり零治には既に好きな人が居て、私はただの友達にしか思えてない。それが渡してみて分かったわ」
「………アリサちゃん、私余計な事したかな?」
「ううん、むしろありがとうすずか。すずかが後押ししてくれたから私もしっかり踏み出せた。………渡した時は流れみたいな感じだっ
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