第143話
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た可能性は高いだろう。刀傷の数を見る限り……あの”風の剣聖”を相手に兄貴もかなり善戦したんだと思う。――――だが、兄貴の直接の死因は”背後から銃で撃たれた”ことだ。」
「ええ……だからこそおかしいのよ。」
「あの男がまだ真実を隠しているのか……」
真剣な表情で答えたロイドの言葉にセシルは頷き、ツァイトは厳しい表情で呟き
「あ………」
「それって……」
ティオは呆け、エリィは真剣な表情でロイドを見つめた。
「―――シズクちゃん。手紙も読ませてもらうよ。」
「は、はい……」
そしてロイドは手紙を読み始めた。
―――ロイドへ。長らく渡せなかった品をこれを機会にお返しする。
その品が全て――――釈明するつもりはない。全てが終わったその時、セシルと共に存分に俺を裁いてくれ。この身はどうなっても構わん。だからシズクにだけは危害を加えないでやってくれ。全ての責は俺にある。
なお、街に現れた魔導兵は白き神機が大鐘を通じて操っているものだ。白き神機を何とかすれば全て沈黙させられるだろう。
「………………………」
手紙の内容を読み終えたロイドは黙り込み
「……これは…………」
エリィは複雑そうな表情をした。
「……白き神機ってのは、あの映像で見たヤツか。ガレリア要塞をアイスみてぇにくりぬきやがった……」
「でも、空間を消滅させる力は使えなくなっているはずです。」
ランディとティオは真剣な表情で呟き
「でも”風の剣聖”は一体どういうつもりで……」
「わざわざ魔導兵の事を私達に教えてくれるなんて……」
リィンとエリゼは複雑そうな表情で考え込んでいた。するとその時ロイドは”ゼロ・ブレイカー”を手に取って装備した!
「おお……」
「ロイドさん……」
「フフ、ガイさんを見ているようだわ……」
(似合っているわよ。……さすがは兄弟ね。)
ゼロ・ブレイカーを装備したロイドを見たランディは感心し、ティオは明るい表情をし、セシルとルファディエルは微笑み
「まるでお前のために誂えたみたいだな……」
ヴァイスは静かな笑みを浮かべて言った。
「ええ……不思議と手に馴染みます。―――シズクちゃん、伝言、ありがとう。ここから先は、どうか俺達に任せてくれ。キーアの事も……そしてアリオスさんの事も。」
「……はい………お父さんはずっと……悩んでいたんだと思います。お母さんのこと……わたしのこと……色々なことを考えているうちに……後戻りができなくなって……それで……グス……」
「大丈夫―――後戻りができないなんてそんな事があるもんか。」
「お父さんのことはきっと連れ戻してみせる
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