外伝〜”光の剣匠”ヴィクター・S・アルゼイド〜前篇
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決意の表情になってリアンヌを見つめて尋ねた。
「どうぞ。本来でしたら中立の立場である遊撃士(貴方)にも尋ねる資格はあります。」
「………先程の条件の中にメンフィル軍が駐留する事が書いてあったが………メンフィル兵達が市民達に危害を加えず、略奪などを一切しない事を保障できるのか?」
「ええ。プリネ姫より兵達に民に絶対に危害を加えない事や略奪をしない事が厳命されています。実際先程制圧した地域――サザーランド州やここに来るまでに制圧した町でも民は”貴族派”の抵抗によって巻き込まれた民達を除けば被害は出ておりませんし、被害を受けた民達に関しても現在メンフィル軍が治療を施しています。それに既に遊撃士協会がサザーランド州を含めた我が国が制圧した地域の支部の復活を手配し、遊撃士達が各地に向かい、先程到着して状況を調べているとの事です。後で確認してはいかがですか?―――こちらが各地の遊撃士達の連絡先です。遊撃士の貴方にも後で事情を話し、渡そうと思っていたので手間が省けました。」
「……………そうさせてもらおう。」
リアンヌの答えを聞いた後、リアンヌが渡した紙を見て懐に収めた。
「それで……………答えを聞かせてもらいましょうか?」
「…………………皇帝陛下や”カレイジャス”の件で私を艦長に任命して頂いたオリヴァルド殿下には誠に申し訳ないが、これより我がアルゼイド家はメンフィル帝国に降らせてもらおう。」
リアンヌに見つめられたアルゼイド子爵は重々しい様子を纏って答え
「旦那様………」
「子爵…………」
「…………………」
アルゼイド子爵の答えを聞いたクラウスや門下生は辛そうな表情をし、トヴァルは複雑そうな表情で黙り込んだ。
「―――ですが。かつてエレボニア帝国に忠誠を誓った身としてエレボニア帝国を滅ぼす協力をするのは”騎士”として耐えがたい事。許されるのならば一つだけ頼みがあります。」
「何でしょうか?」
「私と手合わせをして頂きたい。貴女が本物の”槍の聖女”かどうかを今この場でかつて貴女と共にかけた我が先祖が扱った宝剣――――”ガランシャール”で確かめたい。貴女が真の”槍の聖女”ならばかつて先祖が貴女と戦場を駆けたように、私も貴女と共に戦場を共にさせてもらおう。」
リアンヌに見つめられたアルゼイド子爵は真剣な表情でリアンヌを見つめて呟き
「――――いいでしょう。音に聞こえし”光の剣匠”とは機会があれば手合わせをしたいと思っていた所です。」
アルゼイド子爵の言葉を聞いたリアンヌは静かな笑みを浮かべて答えた。その後アルゼイド子爵達は手合わせをする為に練武場に移動した。
〜アルゼイド流・練武場〜
「――――では、クラウス。号令を頼む。」
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