外伝〜”光の剣匠”ヴィクター・S・アルゼイド〜前篇
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属していない貴方ならば互いの兵達の血を流さずに、貴方に”協力”してもらえると判断し、この地と縁深い私が使者として参ったのです。現に”貴族派”の中でも穏健派と思われるハイアームズ侯爵家は勝ち目がないと判断したのか、戦闘の最中に白旗を掲げて我々に降伏しましたので。」
「……………プリネ姫がどのような事をお望みになられているのか具体的な内容を今この場ではっきりと教えて頂きたい。」
リアンヌの説明を聞いたアルゼイド子爵は真剣な表情でリアンヌを見つめて言った。
「――――いいでしょう。こちらに具体的な内容が書かれてあります。」
アルゼイド子爵の言葉に頷いたリアンヌは懐から一枚の紙を出して近くにいるトヴァルに渡し、トヴァルはアルゼイド子爵に紙を渡して内容を読んだ。その内容を要約すると”アルゼイド子爵家が今後メンフィル帝国に所属するのならば町に侵攻せず、またレグラムの町の領主はそのままアルゼイド子爵家に任せ………戦争が終わるまではメンフィル軍の一部隊を町の防衛にあて、”貴族派”、”革命派”の襲撃に備える事。さらにアルゼイド子爵自身が忠誠の証として戦争が終わるまではプリネ達―――――メンフィル軍に従軍し、共に戦う事。”だった。
「なっ!?そ、それは………!」
「言い方は優しいが簡単に言えば降伏勧告じゃねえか……!」
アルゼイド子爵が紙に書かれてある内容を読み終えるとクラウスは驚いた後信じられない表情をし、トヴァルは厳しい表情で声を上げ
「……………………………今ならシュバルツァー男爵が無血開城した気持ちがわかるな……………」
一方紙の内容を読み終えたアルゼイド子爵は重々しい様子を纏って呟いた。
「だ、旦那様!?」
「まさか子爵ほどの武人が戦いもせずにメンフィルに降伏するのですか!?」
「…………………………」
アルゼイド子爵が呟いた言葉を聞いたクラウスや門下生は信じられない表情で声を上げてアルゼイド子爵を見つめ、トヴァルは目を伏せて黙り込んだ。
「ならばお前達はどう戦うというのだ?精鋭揃いのメンフィル兵達や達人だらけのプリネ姫達に加えて”槍の聖女”も加わったメンフィル軍に僅かな手勢しかいなく………援軍も呼べない今の状況で我がアルゼイド家に万が一でも勝ち目があると?それに戦いが起これば町に住む民達も巻き込まれる恐れがある。戦いになれば我等は蹂躙されるだけだ。」
「そ、それは……………」
「旦那様……………」
「…………………」
そして悔しそうな表情をしたアルゼイド子爵に尋ねられた門下生は口ごもり、クラウスは辛そうな表情をし、トヴァルは目を伏せて黙り込んでいたが
「………遊撃士である俺は本来この場にいるのは相応しくないが………どうしても一つだけ尋ねたい事がある。」
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