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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(碧篇)
外伝〜”光の剣匠”ヴィクター・S・アルゼイド〜前篇
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聖女”リアンヌ・サンドロット卿なのですか!?」

アルゼイド子爵は目を見開いた後信じられない表情で声を上げた。

「なっ!?」

「た、確かに町にある石像と瓜二つですな……」

アルゼイド子爵の言葉を聞いた門下生は声を上げ、クラウスは信じられない表情でリアンヌを見つめ

「”槍の聖女”だと!?何でそんな大昔の人間が生きているんだ!?」

トヴァルは声を上げて厳しい表情でリアンヌを見つめた。

「……………今はそのような些細な事を気にしている時ではありません。――――改めて名乗りましょう。我が名はリアンヌ・ルーハンス・サンドロット。新たなる主――――リウイ・マーシルンとイリーナ・マーシルンの刃にして盾!此度はメンフィル軍―――プリネ姫の使者として尋ねさせてもらいましたよ、”光の剣匠”。」

「!!」

「や、”槍の聖女”がメンフィル軍に………!?」

「そ、そんな!?”獅子戦役”の英雄である貴女が一体どうして……!」

そしてリアンヌが名乗り出るアルゼイド子爵は目を見開き、クラウスや門下生は信じられない表情をした。

「――――決まっています。全ては内戦によって混迷に満ちた地で権力争いに巻き込まれ、何の罪もない”民”が犠牲になっているこのエレボニアを平和へと導く為………そして混迷に満ちた西ゼムリア大陸に”民”に平和を訪れさせる為に二大国をクロスベルと共に滅ぼす”覇道”を行くリウイ陛下とどのような国の民であろうと平等に接する心を持つイリーナ皇妃の考えに賛同し………お二人の槍となっただけの事。………かつてドライケルスの槍となったのは彼もまた”民”の為に立ち上がったからです。この身が”裏切者”と言われようと”民”が平和に暮らしていける為なら、どう呼ばれても構いません。」

「……つまり今のエレボニアでは”民”は平和に暮らして行けないからこそ”エレボニア”という国を滅ぼし………その後のメンフィルとクロスベルという新たな”秩序”の元でなら”民”は平和に暮らして行けると貴女は判断されたのか?」

リアンヌの説明を聞いたアルゼイド子爵は重々しい様子を纏って尋ねた。

「逆に尋ねますが権力争いの結果………内戦へと発展し、今も民達が恐怖で怯えているエレボニアが違うと言い切れるのですか?」

「そ、それは………」

「………………………」

目を細めて言ったリアンヌの言葉を聞いたクラウスは口ごもり、トヴァルは目を伏せて黙り込んだ。

「……………………………それでご用件は一体何であろうか?プリネ姫の使者と先程仰りましたが。」

一方重々しい様子を纏って黙り込んでいたアルゼイド子爵は気を取り直して尋ねた。

「―――プリネ姫は本来は争いを嫌う心優しい姫君…………”貴族派”と”革命派”………どちらにも
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