第142話
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したこと………その結果、自分が撃たれて瀕死の重傷を負ったことによって泥沼の内戦が始まったこと……にも関わらず、クロスベルという不可侵の”壁”ができたことによって共和国の侵攻を食い止められていること。あのオッサンにとっては全て想定していた展開だろうさ。……まあ、”六銃士”達がいつかクーデターを起こして二大国に宣戦布告する事も読んでたみたいだが……さすがにメンフィルと手を組むことまでは読めていないと思うぜ?」
「……くっ…………」
「そ、そんな……」
レクターの答えを聞いたロイドは唇を噛みしめ、エリィは信じられない表情をし
「……化物だね、本当に。」
「……にわかにはちょっと信じ難いですね……」
ワジは真剣な表情で呟き、リーシャは目を伏せて呟いた。
「まあ、”結社”も帝国方面で動き出しているみたいだけど……本当に恐ろしいのは、”鉄血宰相”かもしれないわね。己すらも”駒”として利用し、荒ぶる激動の時代を作り出す………まさに傑物―――いいえ化物だわ。そして彼が作り出した激動の時代に乗るかのように私達には一切気付かれずにメンフィルに協力を取り付け、”覇道”を行く事を名乗り上げた”六銃士”………彼らもまた”化物”だわ。」
「…………………」
「ヤバいオッサンだとは思ったがまさかそこまでとは……まあ、局長達も局長達だが………」
キリカの言葉を聞いたロイドは黙り込み、ランディは疲れた表情をし
「………ディーター大統領はその事に気付いているんですか?」
エリィは真剣な表情で尋ねた。
「さて、どうなのかしらね。こう言ってはなんだけど………ディーター・クロイスという人物はパフォーマンスは超一流だわ。でも、実際の政治家としては……やや疑問を感じざるを得ないわね。経営者としての観点からしか政治を動かしていないという意味で。政治家としてはヴァイスハイト・ツェリンダーやギュランドロス・ヴァスガンの方がよっぽど向いているわ。」
「まあ実際俺達に隠れてメンフィルと協力を取り付けて、通商会議では俺達を嵌めた挙句、ディーター・クロイスから市民達の人気を全て引っさらったものなあ。さすがは”王”を名乗っているだけはあるねえ?」
エリィの疑問にキリカが答え、続くようにレクターが口元に笑みを浮かべて答えた。
「それは………」
「……………………」
二人の答えを聞いたロイドは驚き、エリィは黙り込んだ。
「まあ、”六銃士”の過去がどんなものだったかはわからないけど、ディーター・クロイスはあくまで根は銀行家なのでしょう。”クロイス家”の使命にしても娘の方に任せ切りのようだし。」
「それは……」
口元に笑みを浮かべて言ったキリカの言葉を聞いたティオは驚き
「……ご存知でした
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