第141話
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団長の言葉に頷いたリーシャが静かな笑みを浮かべたその時
「ふふ、リーシャったら何をそんなに追い詰められたような表情をしているの?」
「え………?」
微笑みながら答えた劇団員の言葉を聞き、リーシャは呆けた。
「そうですわ、誰もあなたにそんな顔をしてくれだなんて頼んでいませんし。」
「ああ、ホント。せっかくの美人が台無しだな。」
「プリエさん………セリーヌさん、ニコルさん……」
「とにかく………やることをやったら一刻も早く戻って来てくれ。」
「だな、俺もまだまだリーシャと試してみたい演技もあることだし。」
「テオドールさん、ユージーンさん………」
「ふふ、私も衣装を準備して待っていますからね。」
「私は舞台装置を準備して、ね。」
「カレリアさん、ハインツさん………」
次々と自分にかけられる励ましや応援の言葉を聞いたリーシャは一筋の涙を流して目を伏せ
「…………リーシャ姉……」
「シュリちゃん………」
「ここは………アルカンシェルは………リーシャ姉の居場所だから。リーシャ姉が何を抱えているか、オレにはわからないけど………ここはリーシャ姉の………そしてイリアさんやオレの帰ってくるべき場所でもあって……」
「………シュリちゃん………」
そして涙を流して自分を見つめて言ったシュリの言葉を聞いたリーシャは涙を再び流し始めた。
「オレ……何があってもこの場所をずっと守ってるから………だから…………」
「うん………うん………シュリちゃんの気持ちは十分伝わったわ。ちゃんと戻ってくるから………だから心配しないで、約束する。」
シュリの言葉に頷いたリーシャは微笑んだ。
「約束………本当だな、リーシャ姉。嘘つきは針千本なんだからな!」
「うん………わかってる。」
「リーシャ………」
二人の会話を聞いていたロイドは明るい表情をし
(フフ、よかったわね………)
(クク、闇の住人を光へと導いたイリア(あの女)も只者じゃないが………何より闇から引き揚げたロイド(この男)は凄すぎだね…………)
ルファディエルは微笑み、エルンストは口元に笑みを浮かべた。
「……ロイドさん、そろそろ行きましょう。みんなも練習があることだし………私達も急いで目的の場所に向かわないと。」
「ああ………そうだな。」
そしてロイド達は劇場を去って街の探索に戻った
〜西通り〜
「………………………(さっきのピート君、クイントさん、そしてニールセンさんの話………)」
施錠されてあるイアンの事務所の前まで戻ったロイドは考え込み
「ロイド………どうかしたの?」
「イアン先生の事務所に何かあるんですか?
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