第141話
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人が気になり、近づいた。
「おお、おぬしらか………あの障壁が消えたと思うたら、とんでもない事が起こってしもうたのう。あの独立宣言以来、墓参りに来る物も減ってしまった。こんな状況でわしにできるのは、墓の掃除をしてやることくらいじゃ。」
「………あの。こちらの墓は一体、どなたのものなんでしょうか?」
墓守の話を聞いたロイドは考え込んだ後墓に視線を向けて尋ねた。
「なんじゃ、知らなかったのか?………ふむ、まあおぬしらなら特に問題はあるまい。”彼”とも親しいようだしな。」
「えっ………」
「俺達の知り合いなのかよ?」
「………うむ。ここに眠っている者達の姓は『グリムウッド』………つまり、イアン・グリムウッド殿のご家族なのだ。」
「イアン先生の……!?」
「そ、そうなんですか……!?」
墓守の話を聞いたティオとエリィは驚いた。
「……まごうことなき事実じゃ。15年ほど前に、ある不幸な事故で奥さんとお子さん二人の命が失われてしまってな……いつも週末のたびに墓参りに来てはご家族のことを偲んでおったよ。墓石は風雨で痛んでしまったが………何やら願掛けをしておるらしくてな。それが成るまではあえて修繕せずに手入れするよう頼まれておるのじゃ。」
「そうだったんですか………」
「あの先生も色々あるらしいな………」
墓守の説明を聞いたエリィは疲れた表情をし、ランディは複雑そうな表情をし
(”不幸な事故”ね……………アリオスの妻やシズクと一緒の理由だとしたらイアンも協力している可能性はあるわね………今回の件を引き起こすまでディーターは最初は国際社会に詳しい彼に相談しながら”クロスベル独立国”の法を決めようとしていたか―――――――!!まさか………!ディーター……アリオス………マリアベル………この3人を繋げる事ができ……さらに国際情勢をよく知る人物で該当するのは……!そうなると………ガイを殺害した”第三者”は…………………)
ルファディエルは考え込んだ後ある事に気付いて目を見開き、そして厳しい表情をした。
「あの独立宣言以来、彼も忙しいのかなかなか訪れていないが……よかったら、これからはお前さん達も参ってやるといい。……彼女たちも寂しかろうしな。」
「……………はい、わかりました。」
その後イアンの家族の墓の目の前で黙祷をしたロイド達は街に戻り、途中でアルカンシェルに寄った。
〜アルカンシェル〜
「ああ、あなたがたは………!」
「特務支援課の皆様ではありませんか……!」
アルカンシェルに入って来たロイド達を見た受付は驚き、支配人は明るい表情をした。
「お二人とも、ご無事でしたか。」
「もしかして、他の方達もこちらに?」
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