第一部:ゲート 開けり
事件後の地球世界 その1
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これを作り出した原因は、鼻歌を歌いながら呑気に刀にこぶりついた血などを払い、背中の鞘に収納する作業に取り掛かっている。余りの手際の良さと生々しい地獄絵図に、
さしもの歴戦の兵士である2人も迂闊に彼へ声を掛けることはできなかった、背後に控える民間人も空気中に濃く漂う死臭と血の匂いで表情を悪くし、気分の悪さで中には思いっきり吐瀉物をぶちまけている者もいる。
だが、いつまでもこうやって黙ってみているわけにもいかない。2人は彼に声を掛けようとした。が、
「ここから下手に動かないでください。
現状ここが一番安全な場所ですので、
どこかに移動する事は死にたくなければ必ず守ってください。では」
タタタタタッ
シュバ!
「なっ、おい!君!
・・・・・駄目です。もう遠くへと行っちゃいました」
「糞、せめて名前さえ把握できればよかったんだがな。よっぽど俺たちに自分の正体を探られたくないんだろう。まぁ、
いい。彼の言う通りどうやら周囲は安全そうだからしばらくここで待機しよう。
民間人達は突然のピンチの連続で色々と疲弊しているし、
いきなりの戦闘で俺たちもかなり疲労しているから、言われた通りここで大人しく救助を待ちながら一息入れよう」
それを察知したのか彼は急に首だけ振り向くと、一方的に命令するようにそう言いつけると速やかにこの場から離れ、
一目散にビルの谷間に消えた。その後姿を見ながらローチは彼を引き留められなかったことを悔やむが、ソープは悪態を吐きながらも周りの様子を見て彼の指示が正しいと判断してそれに従い、一休みする事を部下に命じた。
その言葉に従い2人は助けた民間人50人と共に、偶然入ったシティホテルで一休みをしていた所で警察と自衛隊の合同救援部隊が駆けつけたので、無事に保護された。この功績で2人は日本・アメリカ・イギリスの3か国からそれぞれ勲章を授与され、「東銀座の英雄コンビ」というテロップと共に世界中に報道された。なお、
その彼らに助けられた民間人の中に「望月」という名字の家族が含まれていたのは、この時にはそれほど重要視されていなかった。後にそれがとある大きな出来事へと繋がる等、
この時誰も予想だに出来なかった。
(回想終了)
「---という訳なんですよ。後にあれがその問題と成っているサーヴァントの主だって気付いた瞬間に、俺はより一層悔しくなりましたよ。
あの時上手くいけば、せめて何か正体に繋がる情報をゲットできたかもしれない”って。ですが同時にこうも思いましたよ。下手に手を出していたらどうなっていたのだろうか”ってね。あれは同じ人間とは思えないほど化け物ですよ」
「確かにあの剣さばきと運動能力は脅威だな。下手したらマトリック
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