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ゲート 代行者かく戦えり
第一部:ゲート 開けり
事件後の地球世界 その1
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20xx年8月29日
日本国:東京








 「銀座事件」後に今から12日前に銀座で起きたあの事件は、こう称される事となった。全ての物語の発端であり、日本と「帝国」が戦端を開くきっかけとなった出来事である。
これは歴史に必ずその名前が未来永劫刻まられるだろう。


帝国兵は6万人の死者とおよそ8000人の捕虜という損害を残して門の向こう側(特地)へと撤退したが、この時銀座はちょうど歩行者天国の最中であり、大勢の一般市民や観光客がこの騒ぎに巻き込まれて死傷した。その数はここ数日起きている行方不明者も含めると約7000人にも及んだ。もし、仮にあのサーヴァントたちが助けに来てくれなかったら、最低でも1万人は軽く超えていたというから実に恐ろしい話だ。



この事件では彼らの他にも、とある一人の自衛官の活動が注目され、日本国内だけでなく世界中で話題となっていた。
彼の名前は

「伊丹 耀司(いたみ ようじ)」

今年33歳の自衛官だ。


彼を一言で表すならダメ人間だ。何故なら中学校以来の年季の入ったオタクで、
漫画やweb小説を読むことに情熱を注ぎ、
モットーは「喰う寝る遊ぶ、その合間にほんのちょっと人生」であることから計り知れるだろう。
自衛隊に入隊したのも他の公務員より入りやすく、2年間勤めあげると転職を自衛隊がサポートしてくれるので入隊したぐらいだ。


勤務態度は誠実とは言い難く、常に危険を避け、何となく任務を果たしてお茶を濁している。評価は「不可にならない程度に可」で、本人も「趣味と仕事、どちらかを取れと言われれば迷わず趣味を取る」とうそぶいている程だ。ここまでならドラえもんに出て来る野比のび太の様なダメ人間と言えるだろう。だが、彼の経歴はそんじゃそこらのオタクとは比べ物にならない程かなり異色である。


新設の三流大学を卒業後、一般幹部候補生として入隊。訓練成績は最下位だったがブービーで任官。
素行を矯正させるべく、上官の命で本場に負けない程厳しい訓練で有名な幹部レンジャーに放り込まれ、レンジャー徽章をぎりぎりで取得。
その後習志野駐屯地に配属となり、「不真面目さが逆に役に立つ」として特殊作戦群に送り込まれ、
空挺徽章やその他の徽章も何気に取得しているなど、一兵士としてはかなり優秀と言えるだろう。


伊丹は銀座事件の時には、新橋駅から同人誌即売会に向かう最中にこの騒ぎに遭遇して銀座にとって返し、一般市民を皇居正門から皇居内に誘導、反対側の半蔵門から避難させるという作戦を立案・実行し、数千人の命を救っていた。この功績により伊丹は「二重橋の英雄」と呼ばれ、二等陸尉へ昇進した。そしてその際に、彼は皇居からあのサーヴァントたちの活躍ぶりを間近で見ていた一人でもあった。

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