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歌集「春雪花」
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 想い寄せ

  君を呼びにし

    小夜更けて

 見なば歪みし

    夜半の月かな



 どれだけ恋しいと想えど…彼はここにはいない…。

 時は無情に過ぎ去り、彼の名前を呼び続けても…ただ夜が侘しく更けて行くだけ…。

 見れば雲の合間から月が顔を出す。

 闇夜を裂いて輝く月影…なぜか歪んで見える…。


 彼に…会いたい…。



 溜め息を

  つきてや恋の

   迷い路の

 向かうはいずこ

   明日も見えざり



 溜め息をついては恋に悩み…また悩んでは溜め息をつく…。

 諦める他ないこの恋…だが諦め切れないこの想い…。

 どうすればよいのか…迷う必要もなかろうに、私はずっと答えを探し続けている…。

 もしかしたら…有り得もしない未来を夢見、何を指針に歩めば良いかさえ分からなくなり…。

 私は一体…どうなりたかったのだろう…?

 明日さえ見えない私は…どこへ向かえば良かったのだろう…?



 私とは一体…何なのだろう…?




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