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第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#10
DARK BLUE MOONU〜CRUCIFY MY LOVE〜
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「〜♪〜♪〜♪」
 こう見えて甘いモノには目がないのか(ソレ以前に味覚があるかどうかが疑問だが)
放埒な紅世の王は珍しく無言で中国菓子をページとページの隙間で
青い炎を飛ばしながら咀嚼している(律儀に呑みこむ音まで立てて)
 その奇態な光景にもいい加減なれた翡翠の美男子は、
美女から(自分の「許可」無しに絶対かけないコトを3回誓わされた後に)
返却されたスマート・フォンを開き、特殊回線を通じて
SPW財団の管轄するメインコンピューターの一つにアクセスし、
周辺の街路図を高精細液晶パネルに映し出す。
モニターに衛星から送信された縮尺図と主要な名所や建造物等が
3ディメンションのタッチパネルとなって立体的に浮かびあがる。
 制服のポケットに入れていたボールペンの先を利用して
必要な情報をクローズアップし、他は消去してウインドウを整理した花京院は
液晶のディスプレイを前方に向け、爽やかに告げる。
「さて、ここでの聞き込みはあらかた済んだようですから、
次はこの北ブロックに行ってみましょう。繁華街です。
人の集まる場所ですし、旅行客も多いでしょうから一人か二人くらいは
この老人を目撃した人がいるかもしれません」
「……」
 彼の言葉に球形の中国菓子を王と共に仲良く噛み砕いていた美女は、
異論のない様子で頷き紙袋を携えたまま後に従う。
「ほら、行くわよマルコ。休憩は終わり」
「zzzzzzzzzzzz……」
 3時間を超える探索作業に於いても汗一つ浮かべてないマージョリーの脇で、
徒がみつかったら起こしてくれと言わんばかりに惰眠に耽る紅世の王に
美女の膝蹴りがブチ込まれた。 
 花京院はその二人の様子を微笑ましいと想いながらも、
何故自分が彼女に協力する気になったのか? その意味を考える。
 確かに人喰いの怪物を野放しにするわけにはいかないし、
そんなヤツがこの街でナニカを策しているというのであれば、
そんなコトは絶対に阻止しなければならない。
 しかし。
“もしそれ以外に理由が在るとするならば” 
 やはり、先刻の彼女の姿をみてしまったというのが、一番の理由だろう。
 如何なる理由であれ、『女性を泣かすようなマネをするヤツは許せない』
 ましてやソレが、人喰いのバケモノで在るなら尚更。
 一見温和で誰よりも社交的に見える花京院だが、
実は己の美学や信念に反する者に対する圧倒的な冷徹さは
余人の遠く及ぶ所ではない。
 非情に徹しなければ、護れないモノもある。
 ソレは、物心つかぬ幼き頃から望まぬその 『能力』 が故に、
数多くの邪悪な 『スタンド使い』 とソレに纏わる有象無象の怪異と
日夜戦い続けてきた彼に自然に身についていた心象、
孤高の 『精神』
 ソレがDIOの感興をそ
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