第百十五話
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新生アインクラッド第二十七層。そこのフィールドボスをどこかのグループが打倒し、遂にフロアボスへの挑戦権がALOをプレイする妖精たちに与えられた。懐かしい名である攻略組などとも呼ばれている、シャムロックやサラマンダー領などの攻略に熱心なグループは、こぞって迷宮区へと参戦し始めた。
しかしそこに待っていたのは、一筋縄ではいかない迷宮の『入口』だった。プレイヤーたちを待ちかまえていたのは、エリア中に広がる無数の迷宮区への入口だったのである。そして人海戦術を用いて、それぞれのエリアの攻略を始めたプレイヤーたちだったが、それらは例外なく返り討ちにあった。
その入口のどれもが、迷宮区のフロアボスではなく、邪神級のボスが待つ魔境へと繋がっていたからだ。偵察用の装備で適う相手ではなく、攻略組のプレイヤーたちは撤退を強いられた。
そして、それら入口は全て罠だと感づいた攻略組は、NPCたちへの情報収集やクエスト攻略を始めた。そんな中であるクエストをクリアした瞬間、どうやら条件を満たしたらしく、NPCから有力な情報を手に入れることが出来た。
あの幾多の迷宮区への入口は、どれもが正解でどれもが不正解であると。つまり、特定の時間にどこかの入口のみ、真のフロアボスにたどり着く道が開かれるのだと。門に設えられた宝石が光り輝く時、その入口はフロアボスにたどり着く道となる――
――そして、その特殊な形式である層にこそ、俺たちでもフロアボスに攻略する隙があった。
「光ったって! 風車近くの門!」
門が光りフロアボスへの道が開かれる時間帯、リズのメールに情報提供のメールが届いた。リズベット武具店を利用するプレイヤーに協力を頼み、どこかの門が光ったら知らせてくれるように頼んだのだ。
「急ごう!」
だが問題はここからだ。真の入口が分かった今、これからはどのグループが一番早く、フロアボスにたどり着くかの戦いが始まる。それが分かっているメンバーの間に緊張が走り、キリトの号令の下に、俺たちは風車近くの迷宮区の入口へ飛び立った。
「げ、知らせてくれたのフカじゃない……凄いお礼ふっかけてきそうなのに……」
「あいつならどうせリズと1日デートとかだろ……いや困るな、それは」
とはいえアインクラッド上空を飛翔するいつものメンバーからは、緊張しているような姿勢は見られない。スリーピング・ナイツの正体――それを聞いた全員のモチベーションは高く。全速力で飛行していった結果、並んで立っている巨大な風車が見えてきて、その近くに本物の迷宮区の扉がある。近くにモンスターの姿は見えず、迷宮区の入口に着地すると――
「遅かったな」
「……スメラギ」
――そこには既に、シャムロックの部隊を率いたスメラギが立ちふさがっていた
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