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もう一人の八神
新暦78年
memory:24 続・とある日の八神家?
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「えっ? あ、悠莉。どうしたのですか?」

「なんだか悩んでいるみたいだったから気になってね」

「……どうしても片方を選べないんです。ちなみに悠莉はどちらがいいですか?」

そう言って二組を差し出した。

「あれ? これって春物でしょ? もうすぐ11月になろうかとしているこの時期にあるんだ?」

「なんでも在庫処分のようで、今年の分が片落ちするのでと言ってました」

「ああ、なるほど」

「それで、悠莉はどちらが好みですか?」

「どっちって言われても……二つともイクスに似合うんだから両方買ってもらえばいいじゃん」

「それでは……」

「姉さんたちが買ってくれるって言ってるならそれに甘えたらいいんだよ。それに私はそれらを着てるイクスを見てみたいな」

「そ、そうですか?」

「ああ。それにこれからはいろんなところに行けるんだからいろんな洋服着て出かけようよ」

「それは……悠莉とですか?」

「私もだけど、姉さんやヴィヴィオやスバルさんとか、いろんな人たちとね」

そんな光景を思い浮かべたのか、小さくだけど嬉しそうに笑みをこぼした。

「それじゃあ…私行ってきますね」

「いってらっしゃい」

先ほどの二着の洋服を胸に抱えて姉さんたちの下へ行こうとした…のだが、

「あっ、悠莉」

走り出そうとした足を止めて振り返った。
その顔は笑顔で、

「一緒にお出かけするって約束ですよ!」

「うん、約束」

それを聞いて満足そうにうなずいて姉さんたちの下へ走っていった。

「ふぅ……ん? どしたの、そんなふくれっ面して」

イクスを見送って振り返ってみるとヴィヴィオが頬を膨らまし、コロナは苦笑いで私を見ていた。

「べっつにーーーっ!」

「あ、あははは……」

ヴィヴィオはぷいっと、コロナはスッと視線を逸らしながらそれぞれ口にする。

「?」

私が何かした? さっきまでこんなんじゃなかったけど……ただイクスに似合うと褒めて、一緒に出掛ける約束をしただけ。
他に何もないはずなんだけど……

「もしかしてイクスが羨ましいの?」

「!? そ、そそそそんなことないよっ!」

……図星じゃんよ。

「なるほどなるほど。で、コロナ……もか」

コロナはヴィヴィオのような反応はせずに躊躇いがちながらもうなずいた。

「そのっ、何といいますか…そういえばユーリさんとお出かけしたことないなぁ〜と思って……。だから……」

「そっか。だったら……少しの間一緒に回る? それくらいの時間はあるだろうし」

「いいんですか!?」

「コロナがよければね」

「行きます!」

間髪入れずに返事するコロナは、満面の笑みを
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