新暦78年
memory:23 とある日の八神家
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る布団の上で気持ちよさそうに眠る悠莉とイクスがおった。
イクスは悠莉を離さんようにしがみついていて、その姿は子猫のようだ。
「……二人ともちゃんと兄妹しとるなぁ、何か二人が羨ましいな」
「うん、あたしも羨ましい……この頃イクスがユーリを独占してるし……」
……ん? ちょい待ちや。
もしかしてアギトと私の考えとることちがっとったりする? ……うん、何かそれっぽさそうやな。
ジッとアギトを見とったら初め疑問を浮かべていたが、次第に何かを考え出して、
「あっ……〜〜〜っ!?」
どうやら気づいたらしい。
顔を赤くして声にならない声を上げた。
悠莉とイクスを起こさないための配慮なのか、はたまた恥ずかしさのあまりに本当に声が出ないのか……まあ、後者なんやろうけどな。
そんなアギトが可愛い過ぎで、
「ぷっ、あははは。まぁ、確かに最近はそうやなぁ。というか、ここに来てからずっと悠莉にべったりやしね。それにしてもアギトがイクスに嫉妬するなんてなぁ」
「マ、マイスターっ!」
「ゴメンゴメン。でもな、私はそれでいいと思うよ。それだけ悠莉を大切に思ててくれてるんやから」
「……」
「それにな、イクスが羨ましいならそれに負けんくらい悠莉に甘えたらええんや。家族の中でそういう競い合いしてもええと思うんよ」
とはいってもケンカせぇへんくらいになんやけどな。
「そう、なのかな?」
「そうや。そんじゃさっそくやってみるか? 悠莉たちと一緒に寝たらどうやろか? 最近ちゃんと睡眠取れてないやろ?」
「で、でも…そのっ、何ていうか恥ずかしいじゃん」
「……どの口が言うとるん。ちょこちょこ悠莉の布団に潜り込んどったんに何を今更」
「それはっ! ……そうなんだけどさ」
俯きながらもじもじしとるアギトの姿に思わず頬が緩む。
普段なら強気なこの子も、こういった場面では奥手になってしまうみたいや。
「フフッ、私は向こうでくつろいどるから、ごゆっくり〜」
「なぁっ……!?」
さらに上気させるアギトを残して部屋の前から離れた。
「悠莉の起きた時の反応が楽しみや」
-side end-
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