新暦78年
memory:23 とある日の八神家
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るために干したんだから」
「それにですね、ゆぅりの優しいのも感じるんです。ゆぅりに包まれてるような、そんな……」
「(ということは私の布団で寝てるのか……ん? それってわたしの布団が匂うってことなのか?)」
「だからとっても気持ちいいんです。だから」
そう言ってイクスは悠莉へ「えいっ」と両腕を伸ばして私を引き寄せた。
「うわぁっと!?」
「えへへ。どうですかゆぅり、このまま一緒に寝ましょぅ? ゆぅりがいつもしてくれるように今度は私がゆぅりにしてあげますからぁ」
「ちょ!? イクス?」
「えへへ………すぅ……」
「また寝ちゃったし……どうしようか、これ」
脱出を試みようとする。
けれどもイクスががっちりと後ろに腕を回してるので出ように出られない。
まぁ、別にいいか、このまま寝ちゃっても。
あ、でも玄関開いたままだ、しゃーない。
「『アンブラ』―――ウヌース、悪いけど玄関のカギを絞めてきて」
―――コクン
影のゴーレムは大きく頷くとテトテト走っていった。
そしてしばらくすると魔力反応が無くなったことを確認して、そのまま眠りについた。
-side end-
-side はやて-
「たっだいまー……って、悠莉とイクスはおらんのかいな?」
「マイスター、そんなことないと思うよ。だってほら、二人の靴とかあるんだし」
「ホンマやなぁ、いつもなら返事くらい返ってくるんやけど……」
何かしよるんやろか? あ、もしかして勉強やろか、今は試験期間言うてたし。
「マイスター、ユーリたちリビングにもいないよ? ホントどこ行ったんだ?」
「もしかしたら二人とも部屋におるかもしれんから、あとで部屋覗いてみよか、アギト」
「そうだね。あっ、マイスターはお腹へってない? ユーリが作りおきしててくれてるみたいだから、温めればすぐに食べれるよ」
「そんじゃ、お願いしよか」
「リョーカイ」
「そろそろ行ってみよか」
「うん」
食事を取った私たちは悠莉の部屋へ向かった。
そこへ向かう際に音という音は聞こえず、ただ静かだった。
ドアノブに手にかけてみると、鍵はかかっていない。
なのでノックし、声をかけようとすると、
「待ってマイスター。あたしがやるから。―――悠莉、アギトだけど入っていいか?」
ノックをし、声をかけるも返ってくるのは静寂だけ。
アギトは疑問に思いながらも、再度声をかけてゆっくりドアノブを引いた。
ピタッ
中を覗いた途端にアギトが固まった。
「アギト? どうしたん……って、ああ、なるほどなぁ」
アギトの頭越しにドアの隙間から部屋の中を覗いてみると、陽だまりにあ
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