新暦78年
memory:23 とある日の八神家
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よ。元々そのつもりだったし。はい、エプロン」
学生服の上からエプロンをかけた悠莉に声をかけると、エプロンを渡されながらそう言われた。
すぐにエプロンを身に付けて悠莉の隣に立って調理が始まった。
「それじゃあ、あとよろしくね。行ってきます」
「「行ってらっしゃい」」
昼食をとり終えた私と悠莉は仕事へ向かうシャマルを見送った。
「さて、今のうちにやる事やっておくかな。イクス、手伝ってくれる?」
「はいっ、もちろんです!」
「それじゃ早速洗濯機を回してきてくれるかな? その間、私は洗い物や掃除とかしてるから」
「私が洗濯でいいんですか?」
「流石に私がやるわけにはいかないでしょ……女性ものの下着があるわけだからさ」
「そういうことなら任せてください」
「お願い。それが終わったら私とイクスの布団を干してきてくれる? 他は部屋に入れないから。そんじゃ始めようか」
-side end-
-side 悠莉-
掃除やらなんやらが終わってそこそこ時間が経つ。
外を見ればまだまだ夕暮れには早いところにあるが、忘れてしまう前に干していた布団を取り込むとイクスが行ったのだが……
「遅いかな。そこまで時間がかかるはずないのに……行ってみるか」
なかなか帰ってこないイクスが心配になって腰を上げた。
まず向かったのは布団が干してあるベランダへ。
「イクスー、いるー? ……って、いないし。というか布団までなくなってる」
んー、ということは私の部屋、かな? 何故か姉さんたちの部屋があるにも関わらず私の部屋で寝ようとするからイクスの分の布団も私のところに置くことになってるし……
と、いうことで、自分の部屋へと向かうことにした。
そして自分の部屋の前についてみれば部屋の扉が開いていた。
なので開いた扉の隙間から中を覗いてみると、そこには布団の上で寝息を立てているイクスの姿があった。
「……なんだ、こんなところで寝ちゃってたんだな」
ホッと息を吐いてひとまず安心する。
気持ちよさそうに眠っているとはいえ、起こしてみないと。
「イクス……イクス」
名前を呼んで体を揺すると、イクスは喉を鳴らしながら目をこすり、半目の状態で私を見た。
しかし様子がおかしい、何というか言葉にしにくいけどイクスがイクスじゃないようなそんな変な感覚。
「……んっ……ゆ〜り? ゆぅりぃ♪」
「ああ、なるほど。うん、私だよ。イクスどうしたの?」
……どうやら寝ぼけているようで、少し精神が幼子くらいまで後退しているように感じる。
「あのね、お布団がとっても気持ちいいんですよ。ポカポカしてて、たくさん、いい匂いがして……」
「でしょ? そうす
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