暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第28話 「山彦市での出会い」
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めてほしいのだが。今はまだいいけど、確実に女らしい体つきに変わっていってるみたいだし……数年後には確実に男子にとってよろしくない体になるだろう。ただ性格は変わりそうにないだけに非常に不安だ。
「まあ昔よりはマシにはなってるけどな……なあシュテル」
「何ですか?」
「手を放すんじゃなかったのか?」
俺はすっかり手から力を抜いているのだが、俺とシュテルの手は繋がれたままだ。恥ずかしいから放してくれと訴えていたはずなのに。
「いえ、大した意味はありません。ただ……あなたに迷子になられては困りますので」
「俺が迷子になるように見えるか?」
「細かいことを気にしないでください。そんなことより早く目的地へ向かいましょう。このままでは無駄に汗を掻いてしまうだけです」
目的地に向かうことは賛成だが……気にするなと言われて、はいそうですかと納得できる展開でもないのだが。これがまだ他の人物だったなら心境を推測することも出来るのだが、シュテルだと考えられる可能性が人よりも多すぎて確信めいた答えが出ない。
普段はからかわれたりしているとしても、ここぞというときはシュテルにちゃんと言うことを利かせられるディアーチェはやはり尊敬に値する。
「……何ていうか、お前とふたりで居るとディアーチェの凄さを改めて実感するな」
「どういう経緯でそのような発言に至ったのかは確信がないので追求しませんが、改めて実感する必要もないでしょう。彼女は我らの王なのですから」
「まあ……」
それもそうだが、と言おうとしてふと気が付いた。今シュテルはディアーチェを我らの王と言わなかっただろうか。ここに居るのが俺ではなくレヴィやユーリならば特に問題はないだろう。
しかし……俺はダークマテリアルズに所属しているわけでもないし、ディアーチェとの関係性も主従的なものはない対等のようなものだ。シュテル達と同じ括りにされるのはおかしいだろう。
自分の気持ちに従って指摘しようと思った矢先、タイミング悪く曲がり角から人影が現れ前を歩いていたシュテルが衝突してしまう。
激しい接触ではなかったが、相手の方が背丈があったようでシュテルの方が飛ばされる。背後に俺が居たこともあり受け止めることには成功したものの、彼女のブレイブホルダーが落下してしまい地面にカードが広がってしまった。
「平気か?」
「はい、大したことでは……」
「紗耶、大丈夫か?」
「う、うん……私は、大丈夫」
視線をシュテルから前に戻すと、そこには1組の男女の姿があった。長い黒髪の女性は白いワンピースを着ているが、男性の方は上下とも真っ黒……それに加えて同色のサングラスをしている。
俺自身も黒系統の服装を好みのであれこれと言いたくはない
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