暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第28話 「山彦市での出会い」
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かられたりして転びそうになるのも困るからだ。単純にはぐれてしまうのを防ぐという意味合いもある。シュテルならばレヴィと違ってその心配はない気もするので移動速度を速める意味合いの方が強いかもしれないが。

「最悪……目的地に着くまでだな。予想よりも人が多いし」
「先ほどのこともあるので理由は理解しますが……そこで最悪という言葉を選ぶのはどうかと思うのですが。別にあなたの言っている意味を間違って解釈しているわけではないですが、何というか癪に障ります。というか、この前からあなたは少しおかしいです。私に対してその……スキンシップの取り過ぎというか、距離感を間違ってませんか」

 俺の記憶が正しいならばさっきまでこいつは自分に構えとアピールしていた気がする。今の発言が本音ならば本末転倒もいいところだ。
 とはいえ、俺も馬鹿ではない。シュテルの発言の理由に見当はついている。
 こいつは自分から触れたりするのは問題ないけど、相手からされるのはレヴィとか以外には慣れてないからな。しかも昔から付き合いがあるとはいえ一応男である俺と触れているわけだ。頬に赤みが差していることから考えても照れているんだろう。
 小さい頃は兄妹のような感じだったが、一般的に女子は男子よりも早熟であると言う。これに加えて、シュテルは飛び級している秀才だ。俺と話が合う時点で精神年齢は実年齢よりも上だろう。
 ディアーチェも昔とは違った反応をするようになってるし、あいつは場合によってはアミタ達よりも女の子らしい反応をするからな。シュテルにも恋愛面で見られるような女の子らしい部分が芽生えていてもおかしくはない。
 それだけにここはすんなりと手を放すべきだろう。日頃からかわれる身としては仕返しで続けたい気持ちはありはするが、下手をすると口を利いてくれない状態になったりと面倒な展開になるかもしれない。それを考えると無難な選択をするべきだ。

「それもそうだな。こんなクソ暑い日に手を繋いでるのもあれだし、お前はレヴィみたいに迷子になったりはしなさそうだからな」
「……レヴィと出かけると時は未だに手を繋いでるのですか?」
「最近はふたりで出かけたりしてないが、出かけることがあれば多分繋ぐだろうな。あいつは昔からすぐ引っ付いてくるし、落ち着きがない。そのうえ身体能力が高いから追いかけるのも一苦労だ。挙句に迷子になったりするとすぐに取り乱して最悪泣く……繋いでる方がこっちとしても気が楽だ」

 周囲から見た場合はあれこれと疑われるかもしれないが、ただシュテルやディアーチェに比べればレヴィは面倒を見ているだけと思われることが多い。シュテル達とは別の意味で学校では有名なだけにレヴィの性格は割と知られているから。
 俺としては今の内に必要以上にスキンシップを取るのはや
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