暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第28話 「山彦市での出会い」
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ェ達と比較すると私に対して冷たい気がします」
「……あのさシュテル、それについてはまあ否定できない部分はある。が、それは単純にお前の俺への接し方が他よりも悪いからだぞ」
「おや? 電車が駅に着いたようですね。ショウ、さっさと降りるとしましょう」

 颯爽と歩き始めるシュテルに対して俺は大きく一度ため息を吐いた。今みたいな言動をするから必然的に俺の対応が冷たくなっているのだと理解できないのだろうか。性格的に理解してやっている部分はありそうだが、正直俺が許容できる範囲を見極めているだけに性質が悪い。
 まあ……俺がこいつに対して本気で怒れないだけなんだろうけど。
 シュテルに対して面倒だとか鬱陶しいと思ったりすることはあれど、俺は子供の頃から彼女と付き合いがある。昔は今ほど茶目っ気がなかったし、無口ではあったが気になったことなどは素直に言う可愛い奴だった。
 今でも照れたりしたときはあの頃の可愛さが表に出るだけに心の底から嫌いになれるはずもない。
 こういうことを思っても口には出さない。故に人からもう少し素直になれだの言われるのだろうが、今のようなことを素直に言うのもそれはそれで良くないだろう。
 そんなことを考えているなんて知らないシュテルは、俺に早く来いと言わんばかりに立ち止まってこちらを見ている。
 しかし、俺達はまだ電車から降りたばかりである。この場には行き交う人がそれなりに存在しているだ。その中には急いでいる人もおかしくないわけで……たまたまシュテルにぶつかってしまうこともありえる。今まさに目の前で起きているように

「……っ!?」
「おっと……」

 一連の流れが見えていただけに俺はすかさず倒れるシュテルの手を握った。線が細いなどと言われることがある俺だが別に非力ということはない。自分よりも小柄な女子を助けようとして自分まで転倒する、なんてことは起こらないわけだ。レヴィがたまにやるようなタックルのような愛情表現の場合は別だが。

「大丈夫か?」
「は、はい……すみません」
「別にいいさ」

 そう言って俺達は歩き始める。
 電車という快適空間から出てしまっただけに、言うまでもないだろうが再び熱せられている空気が触れてしまっているわけだ。俺はシャツがへばりつく感覚が好きという物好きではないため、1秒でも早く目的地であるゲームセンター《ステーションアズール》に行きたいのだ。

「…………あ、あの」
「ん、どうした?」
「どうしたもこうしたも……いつまでこうしているつもりなのですか?」

 こうしている、というのは……おそらくいつまで手を繋いだままでいるのかということだろう。
 何故手を繋いでいるかというと、思った以上に人が多かったことに加え、また人にぶつ
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