第十章
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「不思議なものだな」
「君達は本来の姿にロイミュードとしての姿が一つになったんだ」
「そうなったのか」
「私がそうさせてもらったよ」
「そう言う御前は誰だ」
チェイスは鋭い目になり声の方に顔を向けた。
「一体」
「黒衣の青年だよ」
こう言ってだ、その姿を見せたのは。
まさに黒い服を着た、女と見まごうばかりの美貌の青年だった。青年はバイクを止めて己を見ているチェイスにさらに言った。
「そう呼ばれているよ」
「黒衣の青年、確か」
「聞いているかな」
「かつてアンノウンを操っていたという神か」
「知っているんだね」
「話は聞いている」
チェイスは鋭い目のまま青年に言った。
「今は人間の味方だというが」
「そう、だからね」
「人間の味方としてか」
「君の二つの記憶を一緒にさせてもらったんだ」
「人間、ロイミュードのか」
「ロイミュードもまた人間だったんだがね」
「どういうことだ、それは」
「心がだよ」
「心が人間ならか」
「そう、どんな姿形でも人間だからね」
この考えからというのだ。
「ロイミュードも人間なんだよ」
「そうした考えか」
「私はね、そしてロイミュードの記憶から」
「色々わかった、俺もまた仮面ライダーか」
「そしてね」
「仲間達もだな」
「彼等との再会をして欲しいのだけれど」
チェイスは青年を見据えたまま再び言った。
「いいかな」
「返答は一つしかない」
これがチェイスの返事だった。
「そうだな」
「うん、では彼等にも同じことをしたから」
だからこそとだ、青年は穏やかな声のままチェイスに話した。
「招待するよ」
「待て、ハートは」
「戦士は何度でも蘇る」
青年は微笑みまた答えた。
「私がそうさせてもらうからね」
「色々と話したいことがある様だな」
「そう、皆会ってからね」
「では案内してもらおうか、それとた」
「それと」
「このことは泊、いや進ノ介達にも話しておく」
こう言ったのだった。
「そうさせてもらう」
「事前にだね」
「そうだ、そうしていいな」
「いや、それは待ってくれるかな」
「何故だ」
「ここぞという時にわかった方が面白いから」
「訳のわからないことを言うな」
「楽しみも必要だということだよ」
「楽しみか」
「少なくとも彼等には伝えているから」
「既にか」
「後は四人で会ってもらってね」
そしてというのだ。
「そこで話すから」
「では署には話しておこう」
「真面目だね」
「当然のことだ」
暫く白バイ隊としての任務を離れることになるとだ、チェイスは所属している署に連絡してだった。そのうえでだった。
彼は青年に案内されて砂浜に来た、そこに彼等がいた。
ブレンとメディック、
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