新暦78年
memory:21 目覚め
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ぐには行けなかったんだ。だからこの時間帯に来たんだよ」
「そうなんだ……あれ? ユーリってイクスと話したことあったんだ」
「あったよ。ね、イクス」
「ですね」
「?」
ヴィヴィオが不思議そうな顔で二人を見ているとイクスヴェリアが思い出したかのように声を上げた。
「言い忘れてましたが悠莉はもうお友達ではありませんよ。悠莉は私の兄様、ですから」
「……ふぇ?」
「兄様って…それ決定事項? とういかそれがさっきの答え?」
「はい。このことが現実になるかはわかりませんけど、家族になりたい、これが私の望みです」
「そかそか。でも別に友達で家族でもいいと思うよ。とにかくイクスもそう望むのなら私もいろいろと頑張らないとね。あっちの方は何とかなるから、まずは姉さんたちに説明しないと」
「はい、お願いしますね。それよりも、ヴィヴィオ大丈夫ですか?」
未だに固まっていたヴィヴィオに声をかけるイクスヴェリア。
その声で現実に引き戻されたヴィヴィオはびっくりしながらも先ほどの言葉について聞いてみた。
「ハッ!? う、うん、大丈夫だよイクス。ねぇイクス、さっきユーリのこと兄様って……」
「ヴィヴィオが寝ている間に私のこれからについて話してたのです。管理局や聖王教会の施設にお世話になるかどうかと。それで悠莉と話している間にできることなら悠莉の家族としていたいと思ったのです」
「ほら、八神家は私を除く全員古代ベルカに通ずるでしょ? だからイクスにとっていいんじゃないかなって」
「な、なるほど」
「それにこれならヴィヴィオともいつでも会えるだろうしいい考えだとは思わない?」
ヴィヴィオは顔をパッと輝かせ、嬉しそうにイクスの手を握った。
「じゃあいつでもこうやって触れ合ったりお話しできるんだね!」
「そうですね。私、うれしいですよヴィヴィオ」
「私もだよイクス!」
和気藹々と微笑みあう二人。
それを見て悠莉も頬を緩めながら、心の中で自分とイクスヴェリアの願いを叶えるんだと気持ちを引き締めた。
-side end-
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