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Three Roses
第十一話 葬儀と即位その三

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「是非」
「そうですね。王が亡くなられましたが」
「それでもです」
「前にですね」
「動かれて下さい」
「わかりました、では式に出ます」
 葬儀のそれにというのだ。
「これから。そして」
「即位の式も」
「出ます」
 こちらは言うまでもなかった。
「そうします」
「はい、では」
「その用意は既に進めています」
「それではです」
「このまま進めていきましょう」 
 側近達もマリーに応えて言う、そして。
 その話の後でだ、ロドネイ公はマリーにこうしたことも話した。
「それでなのですが」
「王位継承権のことですね」
「はい、そうです」
 話をすぐに察したマリーの頭の回転のよさに感服しつつだ、ロドネイ公は応えた。
「そのことですが」
「継承権第一位である叔父上が王になられ」
「それに伴い順位が変わりますが」
「そうですね」 
 このことは即座にはっきりさせねばならない問題だ、次の王を決めるという国家にとってとりわけ大事なことだからこそ。
「では」
「今マリー様は第二位ですが」
「それが、ですか」
「北の王国から王子をお迎えするにしてもです」
「それでもですね」
「王子はまだご幼少です、ですから」
「私が、ですね」 
 緊張した面持ちでだ、マリーはロドネイ公に応えた。
「第一位となりますね」
「そうなります、大公ご自身がそうお考えです」
「そうですか」
「王子は二位となるでしょう」
「私の次の王ですか」
「そしてマリア様、セーラ様となり」
「お姉様は、ですね」
 マリーからマイラのことに言及した。
「あの方は五位ですね」
「そうなります」
「そうですか、しかし」
「本来はというのですね」
「お姉様が第二位となりますが」
 マリーではなく彼女がというのだ。
「やはり」
「いえ、それはです」
 大司教がそう言うマリーに申し出た。
「申し訳ありませんが」
「なりませんか」
「マイラ様は側室のお子です」
 大司教はまずはこのことから話した。
「そして旧教徒です」
「その二つのことからですか」
「あの方にも王女ですので継承権はおありですが」
「その序列は低いですか」
「そうなります、むしろ庶子として王位継承権どころか」
「王族としての地位もですか」
「与えられないことも考えられます」
 マイラ、彼女の場合はというのだ。
「そうした話はこれまで王家にはありませんでしたが」
「しかしですね」
「王国ではありました、ですから」
「お姉様は、ですか」
「まだ王位があるだけでもです」
「いいと言えるのですか」
「そうした考えもあります」
 こうマリーに述べた。
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