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Three Roses
第十一話 葬儀と即位その二

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「前に進まれて下さい」
「私もですね」
「ロドネイ公の言われる通り常に動いていますので」
 人の世はというのだ。
「ですから」
「私もですね」
「動かれて下さい」
 例えどれだけ悲しく嘆くものがあってもというのだ。
「そうされて下さい」
「そうしないといけないですね」
「動くこと、そして時には耐えることもありますが」
「どちらもですね」
「止められないで下さい」
 そのどちらもというのだ。
「この二つは共にある場合もありますが」
「動くことと耐えることは」
「牢獄に入れられていても」
「その状況に耐えるということでしょうか」
「ただ耐えるのではないです」
 牢獄、碌に動くことが出来ないその中でもというのだ。大司教はマリーに対してさらにこうしたことを言ったのだった。
「その中でも」
「と、いいますと」
「牢獄の中にいることは苦境です」
「その苦境に向かうことですか」
「立ち止まっては出来ないです」
「前に動いてですね」
「そうです、向かうものですから」
 だからこそというのだ。
「牢獄の中で耐えることもです」
「動くことなのですね」
「向かうことなのですから」
 それでそうなるというのだ。
「ですから」
「例え牢獄の中にいても」
「そうされて下さい」
「そうしないとならないですか」
「私はその様に考えます」
「そしてです」
 ここでだ、キャスリング卿もマリーに言った。
「マリー様は決してです」
「私はですか」
「はい、我々がいますし」
「離れ離れになってもですね」
「お二方は常にマリー様と共におられます」
 セーラ、そしてマリアはというのだ。
「ですから」
「私は一人ではないですね」
「そのことを忘れないで下さい」
「例えどれだけの苦境の中にあっても」
「我々とお二方はおられます」
 常にというのだ。
「ですから」
「貴方達をの言葉を胸に置いて」
「忘れないで下さい」
 絶対にというのだ。
「そうされて下さい」
「では」70
「その様に。そして」
「さらにですね」
「先程大司教も言われましたが」
「常にですね」
「動かれて下さい」
 キャスリング卿もこう言うのだった。
「困難があろうともです」
「その困難に向かうことですね」
「逃げる時もありますが」
「どうしても逃げてはならない時はですね」
「前に進まれて下さい」
 即ち向かってくれというのだ。
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