新暦78年
memory:19 友達は師匠
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満面の笑みで黒ウサギたちにぎゅーって抱きしめ頬擦りしている。
いつもはなかなか見ない一面にびっくりしていたけどこのままじゃ話が進まないので苦笑しながら声をかけた。
「えーっと、コロナ?」
「はっ!? ……ごめんなさいヴィヴィオ。久しぶりだったからつい」
あははーと申し訳なさそうに笑う。
でも何でだろう、こうやって黒ウサギを見てるとどこかで見たことがあるような……
そんなことを思ってると黒ウサギの一匹がコロナの腕から抜け出して私の近くに来た。
そして袖を引っ張りながらどこかに連れて行こうとした。
「え…え? もしかしてあっちにコロナの師匠がいるの?」
―――コクン
「じゃああなたたちは私たちを案内するために?」
―――コクン
それから黒ウサギたちに案内される通りについていく。
さっきまでいたところから見て死角になっていたところに連れて来られた。
何でもこの先に私たちを待っている人、コロナ師匠で私も知っている人がいるらしい。
それを伝えると黒ウサギたちは私たちの影に入っていなくなってしまった。
「ヴィヴィオ、行こっか」
「う、うん」
コロナの後に緊張気味についていく。
そして、コロナは師匠さんを見つけると口を開いた。
「お久しぶりです! 師匠!!」
コロナの後ろから顔を出してその人の顔を見た。
その人の顔はやっと来たか待ちくたびれたそんな表情で……って、
「うん、久しぶり。あと、何度も言うけど師匠はやめて、そんな柄じゃないから」
……なんでこの人がここに?
「それから、ヴィヴィオも久しぶり。元気にしてた?」
え? え? え? なんで……?
というか私どうしたらいいの?
目の前の人物に驚きを隠せずに言葉をなくしてしまう。
「……」
いやいや! 確かにこの人は私も知ってるよ!?
「ヴィヴィオ?」
「おーい、ヴィヴィオー?」
反応のない私にコロナとその人が心配して声をかけてくる。
うん、わかってる、わかってるよ。だから、とりあえずは……
「え……ええーーーーー!? コロナの師匠ってユーリだったのーーっ?!」
ある意味予想外すぎること…コロナが前々から言っていた師匠が私の一番で特別なお友達だったということを思いっきり声を出して驚いてみよう。
-side end-
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