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アインクラッド篇
movement V 迫り来る狂気の行進曲
死神降臨
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「な………!?」
武器を失ったことで、男達は目に見えて動揺している。甘い甘い。そこですぐに切り換えられないからオレンジなんぞに身を墜とす羽目になるんだ。
「何されたか、分かる奴いるか?いねぇだろうな。サービスだ。もう一回やってやるからさっさと武器持ち換えろ。」
その言葉に、リーダー格と思われる男が、ストレージから予備の大剣を取り出す。
「クソッ…………死ねぇ!!」
なんの捻りもない、ただ力任せの一振り。避けるのも受けるのも造作もないが……実力差を理解させるためにはこれが一番だろう。
「あらよっ!と。」
腰のブラッドクロスを引き抜き、見え易い様に、『ゆっくり』振るう。寸分狂わずに大剣の横っ腹に当て、一気にへし折った。
《
武器破壊
(
アームブラスト
)
》、そこにいるキリトが得意とするシステム外スキルだ。キリト曰くかなりの集中力が必要らしいが、正直先読みに比べれば息をするように簡単だ。
「んな!?」
怯んだ男の顔面に体術スキル基本技《閃打》を叩き込む。
「ぶぼぉあ!?」
数メートル吹っ飛んだ男のHPは、その一撃だけで半分を割っていた。
「おいアマギ!やり過ぎんなよ!」
「わーてるって、キリト。退路は塞いどいてくれ。」
「おう、任せろ。」
「な、キリトに……アマギ?」
「全身黒ずくめの盾無し
片手剣士
(
ソードマン
)
…………《黒の剣士》?」
「それだけじゃねぇ。紅い十字のジャケットに両手剣クラスの片手剣………《十字の剣聖》だ……。」
「ヤバイよロザリアさん。コイツら二人とも、攻略組だ。」
ようやく俺達の正体に気付いたらしい。皆泡を食ったように動揺し始めた。
「狼狽えんじゃないよ!攻略組がこんなところでうろついてる訳がないだろう!名前を騙ってビビらせようっていうコスプレ野郎に決まってる!」
「でも………あの男ヤバイっスよ……。」
「うるさい!全員で掛かれば……。」
「オイ。」
「っ……!?」
「ここに回廊置いとく。自分で入るか放り込まれるか好きなの選べ。行き先は………言う必要はないよな?」
数秒の沈黙。最初に動いたのは、リーダー格の男だった。
「チクショウ……!!」
一人が動けば早いものだ。次々と回廊に消えていく男達。残ったのは、ロザリア一人となった。
「……後はあんただけだな?」
「っ……グリーンの私を攻撃すれば困るのはあんただよ!」
「なーに、フラグ回復クエストならソッコーでクリア出来るから問題ない。」
「っ………そうだ!あんた、私と組まない?あんたと私ならどんな獲物でも……」
「……阿呆か?俺は、お前らみたいなのが、一番嫌いだって、言ったよな?」
「っ〜〜〜クソッ
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