新暦78年
memory:17 憧れの再確認
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ってやっぱりすごい!
でも、ボクの一つも攻撃が通らないのは悔しいけど……
そんなことを考えながらも五メートル以上離れている悠莉くんに目を向ける。
あんなに遠くからどうするんだろ?
遠距離からの魔法はなしのはずだけど……ううん、考えてもしょうがないよね。
どんな攻撃が来るかわからないため構えながら悠莉くんの動きを注意深く視る。
「行くよ」
右足に体重を軽くかけながら地面を蹴ろうとしている…もしかして突撃!?
「え……?」
「ミウラ…………どうする?」
う、そ…!? さっき待て五メートル以上離れてたのに一瞬で……?
一体何をどうやったの?!
気付けばボクは倒されていて、見上げた先には悠莉くん。
いつの間にか刀が抜かれていて首に添えられている。
「で、どうする?」
「ま、負けました……」
試合はボクの降伏で幕を閉じた。
「悠莉くん! 最後のあれ、いったいなんだったの?」
試合の後、すぐさま悠莉くんのところへ駆け寄った。
「ん? 縮地のこと?」
縮地? あ、そういえば大会の時に使ってたような……
「えっとね、縮地っていうのは足に魔力を集中させて地面を蹴ることで得られる爆発的な超加速を利用して一瞬で移動する歩法のこと。一応大会でも使用してた技だよ。それにしても……」
悠莉くんは説明をし終えるとボクの頭をガシガシと少し荒く撫でた。
「ちょっ! 悠莉くん?!」
「おっと、ゴメンゴメン」
謝ると同時にぽんぽんと軽く撫で、手を離した。
その頭を上げて悠莉くんの顔を見上げると嬉しそうな笑顔があった。
「偶にはこうして勝負してみるのもいいかもしれない。ミウラがちゃんと強くなってるって感じたから嬉しくてつい、ね?」
「そ、そうかな? えへへ」
悠莉くんに褒められちゃった。
でも、まだまだ悠莉くんには届かないんだろうなぁ。最初から最後まで全力って感じじゃなかったみたいだし……。
だからと言葉にせずに心の中でつぶやいて悠莉くんを見る。
「ねぇ悠莉くん。今度は最初から全力で試合してくれる?」
悠莉くんはボクの言葉に呆けた顔になったけどすぐに破顔して、
「いいよ。けどね、一応世界最強の肩書きをもってるから手は抜かないし、そう簡単には敗けないよ?」
そう言って、さっきと同じように少し荒く撫でてきた。
ボクはそれを受け入れ、悠莉くん同じように笑った。
「うん!」
-side end-
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