新暦78年
memory:17 憧れの再確認
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戻し、少し遅めのお昼をとっていた。
「悠莉くんはインターミドルに出場したりしないの?」
「ん〜、ミウラたちのことがあるからね〜。というかどうした?」
「……だって、悠莉くんとても強いでしょ? なのに出場したりしないのって、もしかして僕たちが邪魔になってるからなのかなって……」
動かす手を止めてうつむきがちにぽつりと話す。
ミウラだけじゃないみたいだね。
別にそんな気がなかっただけで、気にしなくてもいいのに……。
「そんなことない。道場の練習でみんなに教えてる方が楽しいからで、ミウラたちが理由でインターミドルに出ないとかじゃない」
「……うん」
あー、もう! いっそのこと言うか。
「それにね、一度出場した身としてもういいかなって思ったんだ」
「……え? 悠莉くんって出てたの?」
「去年のインターミドルにね」
「でも、そんなこと一度も……」
「そりゃそうだ。わざわざ言いふらすことでもなかったし、聞かれなかったし。それに偽名や変身魔法を使ってたから基本ばれてないさ」
事前に知っていた姉さんとザフィーラを除けばジーク以外変身魔法がばれてないわけだし、知ってる人は私が伝えたから知ってるわけで。
「ちなみにその時使ってた名前って、もしかして……」
思い当たる節があるのか次第に表情が驚きへと変わっていく。
「……ユウ・リャナンシー、だったり?」
「Exactly!」
「え……えええぇぇ!!?」
驚いてるせいか、暗い表情も完全になくなる。
そして、心地よく聞こえるミウラの驚きの声に自然と頬が緩む。
「都市本戦が終わった後、みんなで中継見直してたらリオがあんなこと言い出すんだから内心ひやひやだったよ」
試合にも使用していた収束魔法の応用である剣を作ってみせる。
これを見てさらに目を見開くミウラ。
「というわけでこれがおまけ程度だけど理由かな。あ、言っておくけど誰も勝てないからとかいう慢心したわけじゃないから。今は本当にミウラたちに教えて一緒に歩いていくことが楽しくて仕方ないんだから」
これ以上ないほどの満面の笑みをミウラに向ける。
「っ……うん!」
ミウラも同じように笑顔を返してくれた。
-side end-
-side other-
食後の運動として悠莉とミウラは道場で使用している海岸で簡易試合をすることにした。
勝敗は相手に有効打を与えるか参ったと言わせるか、などと他にも簡単に試合ルールを決めて、いつも練習をしている海岸で組手に備え入念に身体をほぐす悠莉とミウラ。
そこにはまだ張りつめた空気はなく互いにリラックスしている状態だ。
「悠莉くん、こっちは準備オッケーだよーっ!」
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