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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第47話 テレスティーナ
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り込んで、内部を観察する。
かなり長期間放置されているのか、真っ黒なディスプレイに埃が溜まっていて、指でなぞるとこそげるように埃が取れていく。

「使われていない?」
木山は電源ボタンを押してみる。
「......点かないか......そんなに都合通りにはいかないみたいだ」
来る途中で所々に非常用通路を示す光があることから、電気は来ていることは間違いない。

この部屋に供給されていないか
もしくは、コンピュータの故障か

木山はキーボードの下にある修理用の戸を開けて中に頭を突っ込んだ。
「私で直せるとは思えないが......ハードディスクだけでも回収しておきたいものだ」
先ほど拾った懐中電灯を口に咥えて、両手で夥しい数のコードを伝っていき、因果関係を確かめる。

「これは電源で......こっちがマザボか......だが、分からない部品も多いな」

放置されていたのなら、こちらでも好都合だ。
あの時の凄惨な実験の情報があるかもしれない。

非常事態のアラームが鳴り響き、職員のパニックを横目で見ながら元締めの老研究者は、傷付いていく子供達を一瞥もせずに......
「あー、良いから。データを取りなさい」
元締めの老研究者「木原幻生」は確かにそう言った。
子供達が血反吐を吐き出して、苦しみよがっている姿をまるで書店に流れているBGMのように意に介さない音源として当たり前のように言ってのけた元凶。

奴が残した手掛かりがきっとあるはず......

暗がりの中で懐中電灯の光を頼りにコンピュータの核となるマザーボードを読み解いていく。
全てのパソコンが同じ配列になっている訳ではないが、何回かパソコンを開けた経験から位置を割り出してハードディスクを特定しようと苦闘している。

「あら、珍しい物があるわね」
装置の外部から女性の声が響いてきた。
「?!」
木山は冷や汗をじんわりかいた。

見つかったか......
敵は複数の組織や人が絡んでいる
その全てをあの赤髪君が、対応できるものではない
落ち着け
冷静にならなければ

木山はポケットにある砂鉄の有無を確認し、ゆっくりと修理口から這い出た。
目の前には眼鏡を掛け、スーツでビシッと決めたテレスティーナがパソコンを抱えて立っていた。
這い出て来た木山と目が合うとニコリと笑う。

スーツ姿で背筋を伸ばしたテレスティーナとヨレヨレの白衣を着て、まるでずっと寝ていない程の深い隈をした木山。
その対比は強弱の関係を緩やかに呈していた。

「これはこれは、木山春生さんではありませんか。先の事件の主犯が何でこんな場所に?」

「テレスティーナ?木原......」
研究職をしていた時に何度か会って話をした程度だが、木山は苦虫を噛み潰し
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