第47話 テレスティーナ
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てみたらね」
にやりと笑みを浮かべると狡猾そうな企み顔をする。
「重いっすね〜!あっ、聞き忘れていたことがあったっす!」
トビフレンダが発言とは裏腹に軽々と持ち上げながら、ヒールで先を歩いているテレスティーナを呼び止めた。
「?」
かなり深刻そうに沈黙するトビフレンダにテレスティーナは、何か良くない可能性を高め予想し、用意した。
「あの......」
仮面を付けている事が何か重要な案件を言うかもしれない。
何かしら?
逃げられたとかかしら?
それとも......
スカートが風にはためきながら、トビフレンダは意を決して口を開いた。
「......うんこをする感覚ってどんな感じっすか?」
「!?」
ドサリとナチュラルにびっくりし過ぎて転んでしまうテレスティーナ。
完全に思考の外からの質問にもはや文句を言う気力も削がれてしまった。
「どうなんすか!?」
「セクハラで訴えますわよ」
それだけを吐き捨てるように言うと重い荷物を持っているトビフレンダを置いて、早足で研究所に入っていく。
「あ!?待ってくださいっす。何で質問に答えてくれないんすかー?うんこしたことあるんすよねー?うんこが一度に出ない時のいきむのも知りたいっす!」
コイツ嫌い
会ってからずっと『うんこ』しか言ってねぇし!
******
サソリが麦野と交戦している間に木山は物陰に隠れながら研究所のコンピュータルームへの侵入を試みる。
サソリの時空間忍術を使い、侵入に成功した木山は屋上でのサソリの言葉を思い出していた。
「今回は陽動だな」
「ようどう?」
「そうだ、オレが囮になるから木山はなるべく多くの情報を探れ」
「囮か......」
木山はそこで暗い表情となった。
勢いで脅迫してしまったが、この子だってまだ子供だ。
囮になって敵の注意を引くことは、かなり命の危険が付きまとう。
これでは、前と同じだ。
実験で重体となった教え子。
レベルアッパーを使った実験でも学生を巻き込み、今回の作戦でも赤髪君を......
そんな心配を悟ったのか、サソリは薄い笑みを浮かべて木山の額を小突いた。
「大丈夫だ。オレは簡単には殺られん」
「でも......」
「オレを脅迫してんだろ?だったらもっと堂々としていろ。先生」
ああ、この揺るぎない自信だ
どんな相手にも弱音を吐かずに立ち向かい、必ず倒してしまう力強さ
一度、敵にした事がある木山だからこそ感じたサソリの特性だ。
最後の最後まで計算を止めずに突き進むサソリの底知れぬ力に木山は惹かれていってしまう。
赤髪君を見ていると、なんだかやれそうになってしまう
これではどちらが歳上か分からないな
「そうだな......ただし、もう一つ
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