機動戦艦ナデシコ
1425話
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力がある程度あればこちらとしても桜咲と共に行動させたかったんだが……ともあれ、俺としては今のヤマダの言葉は却下せざるを得ない。
「ヤマダにはこのコンテナを守って貰う必要がある。神楽坂もいるが、お前の力も必要だ」
取りあえずこう言っておけば妙な暴走はしないだろう。
事実、ヤマダは俺の言葉に頷き、自らに気合いを入れていたのだから。
「桜咲、準備を」
「はい、分かりました」
桜咲が俺の言葉に頷き、仕切りの向こう……女達のプライベートルームの方へと入っていく。
それを見送ると、俺もまた準備を……と思ったが、俺の場合は特に準備らしい準備はないんだよな。
何かあっても空間倉庫の中に荷物の類は入っている。
「ちょっとアクセル。言っておくけど刹那さんに変な真似をしちゃだめだからね」
「……お前は俺を何だと思ってるんだ」
神楽坂の咎めるような声。
しかも、それを聞いていたエリナまでもが俺の方へとジト目を向けていた。
もしかしてそれを狙ってそんな事を口にしたのか? いやいや、神楽坂がそんな高度なテクニックを使える筈がない。
「だってアクセルって影のゲートで転移する時、抱きしめたりするじゃない」
「あれは、非常事態だったからだろ? 別に俺だって好き好んでお前を抱きしめたり……」
「ちょっと! 何よそれ! 私に女としての魅力が全くないって言うの!?」
俺の言葉が神楽坂のプライドを傷つけたらしく、目を怒らせて叫ぶ。
あー……しまったな。別にそんなつもりじゃなかったんだが。
「いやいや、神楽坂はかなりいい女だぞ? それは俺が保証する」
「……そ、そう」
うん? 鎮火するのも早かったな。
「お待たせしました!」
そして丁度神楽坂が落ち着いたのを見計らったかのように桜咲が長刀を手にやってくる。
「よし、じゃあ行くか」
微妙になった雰囲気をそのままに、俺は桜咲と共に影のゲートへと身を沈めるのだった。
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