機動戦艦ナデシコ
1425話
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…頼めるか?」
神楽坂へと視線を向けながら尋ねると、それに返ってきたのは当然でしょと言いたげな笑み。
「ずっと護衛しろってのは無理だけど、刹那さんが少し出ている間の護衛くらいなら問題ないわ。……いい?」
確認するように近衛に尋ねる神楽坂だったが、近衛はそれに対して笑みを浮かべて口を開く。
「勿論や。アスナがいれば、せっちゃんが戻ってくるまでは十分や」
「……アスナさん、お願いします」
桜咲も神楽坂に頭を下げ、次に俺の方へと視線を向けてくる。
「刹那さんがいいのね?」
確認するような問い掛けに、頷きを返す。
「ああ。単純に敵を無力化するというだけなら、神楽坂に頼んでも良かったんだが……」
密かに侵入し、見張りを倒して軟禁されている月臣を救う。こういう、密かに敵を倒すという意味では神楽坂は向いていない。
いや、エヴァとの訓練を積んでいるからやろうと思えば可能なのかもしれないが、専門の訓練をしている桜咲の方が向いているというのが正しい。
それは神楽坂本人も理解しているのだろう。特に自分がやると言い張ったりせず、すぐに頷きを返す。
「悪いな」
「別にいいわよ。私が潜入とかに向いていないってのは、自分が一番分かってるし」
そう告げてくる神楽坂の様子は、特に反発の色はない。
自分の能力をしっかりと理解しているからこその行動。
「……そういう訳だ。月臣の救助はこっちでしっかりやるから、そっちも予定通りに行動を頼む」
『はい、ありがとうございます』
通信で俺達のやり取りを聞いていた白鳥が頭を下げてくる。
そして短くこれからの事を話し合うと、通信を切る。
「アクセル、俺も!」
「却下だ」
通信が切れた瞬間にそう告げてきたヤマダの要望を即座に却下する。
ヤマダが何を言いたいのかというのは、すぐに分かった。
ヤマダにとって、ゲキガンガーを共に語り合った月臣は、白鳥達と同じく親友と言ってもいい存在だ。
だから桜咲がそれを助けに行くという話になった場合、自分も力になりたいと思う気持ちは分かる。分かるんだが……残念ながら、ヤマダの能力はシャドウミラーの者達に比べて極度に劣る。
正確にはヤマダが極度に劣るのではなく、シャドウミラーに所属する者達がそれぞれ規格外な存在になっていると表現した方が正しいのだが。
ともあれ、ヤマダの気持ちは嬉しいが純粋な実力不足で桜咲と共に行動するのは却下せざるを得ない。
これでヤマダの実力が量産型Wくらいあれば……いや、今の量産型Wは金ぴかの能力もあわさって、かなり狭量になっているのは間違いない。
それこそこの世界の人間が生身で量産型Wに勝つのは、まず不可能だと言ってもいい。
正直なところ、ヤマダの実
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