機動戦艦ナデシコ
1425話
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2人も同じような考えを持っているのではないかと不安になった訳か。
まぁ、月臣は3人の中でも強硬派といった風な人物だ。その月臣がこうして自分を裏切ったのだから……と。
実際その考えは当たっている訳だし。
月臣達の中で月臣が強硬派、白鳥が穏便派、秋山が中立派……ってところか?
「分かった。なら、行動開始だな?」
『はい。アクセル代表にも以前の約束通りの行動をお願いします』
「当然だ」
以前の約束通りの行動というのは、当然生産プラントを確保しておくという事だ。
元々こんな七面倒な真似をした理由の大部分は、この生産プラントの為だった。
そう考えれば、この動きは待ち望んでいたと言ってもいいのだが……
「月臣が捕らえられたというのは、少し予想外だったな」
勿論草壁の主張を真っ向から否定する以上、大人しく解放されるとは思ってなかった。
それは当然月臣も理解していたし、脱出したら白鳥達に合流する筈だったのも事実だ。
月臣は、シャドウミラーのメンバーとは比べものにならなくても、木連式柔術の使い手として木連の中ではかなりの実力者らしい。
勿論月臣が木連の中で生身の最強って訳じゃない以上、月臣よりも上の存在はいるだろう。
例えば高杉は純粋に生身での戦いでは木連トップクラスであり、月臣をも超える。
そんな高杉に匹敵する者が草壁の手元にいるという可能性は十分にある。
あるいは、もっと単純にバッタを用意していたとか。
けど、正直月臣が向こうの手に囚われているというのは面白くないな。
人質にするような真似をすれば当然優人部隊の士気は落ちるだろうし、純粋に戦力的に考えても色々と面白くない。
かといって、今の白鳥達に月臣を救出出来るような余裕は存在しないだろう。
本来なら月臣がやる筈だった仕事まで白鳥達が分散してやらなければならない以上、当初の予定よりも忙しくなるのは間違いない。
かといって、その辺の一般兵士を救出に向かわせても……月臣を押さえるだけの人物がいる以上、それもまた難しい。
俺の視線がコンテナの中へと向けられる。
白鳥との通信を聞いていた為、全員の視線が俺の方へと向けられているが……俺の視線が向けられたのは、神楽坂と桜咲。
どちらに声を掛けるか……今の思いつきを頼むかを一瞬迷うも、既に答えは決まっている。
「桜咲、今の通信を聞いていたな?」
「え? あ、はい」
まさか自分が声を掛けられると思わなかったのか、桜咲は一瞬驚きの表情を浮かべる。
だが、すぐに状況を把握するのはさすがと言ってもいいだろう。
「お前には悪いが、月臣の救出に向かって欲しい」
「私が、ですか? ですが、このちゃんの護衛は……」
「悪いが近衛の護衛は暫く神楽坂に任せて欲しい。…
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