新暦78年
memory:16 新年度
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い、自分から言っといて名前呼ばれただけで顔真っ赤とか」
「う、うっさい!バカ兄!」
「ぷははは。二人ともそこまで。リオをあんまりからかってやるなよライ」
「〜〜〜っ!?」
「……あれ?」
ライに釘を指しただけなのに、リオの顔がさらに赤くなった。
「……リオ、早くそれに慣れろうな。それから悠は……言っても無駄か、どうせ今のも理解できてないだろうし」
と、リオの肩を叩いた。
いやまあ、確かにわかんないけど、無駄って酷いんじゃないか無駄って。
結局、どうしてこうなったのかわからず仕舞いで時間だけが過ぎていった。
-side end-
-side other-
あれからしばらくたった。
現在、悠莉は浜辺で距離をとってリオと向き合っている。
本来なら食後の運動としてライと軽く組み手をするはずだった。
だが二人の話を聞いていたリオがライから横取りして、いつの間にか組み手が試合をすることになってしまった。
「二人とも準備はいいか?」
「ああ」
「もちろんっ!」
「そうか。じゃあ改めてルールを確認するぞ? 格闘戦だがリオだけ魔法を許可。だが遠距離魔法は禁止。そんじゃあ―――始めっ!!」
ライの合図で試合が始まった。
「はあぁっ!」
速攻を仕掛け、機先を制そうとするリオ。
悠莉に向けられる拳は同門で兄弟子に当たるライにまだ及ばないものの鋭さを持っていた。
悠莉はそれを軽く体を逸らして躱して手首を掴む。
「魔力の乗ったいいパンチだけど真っ直ぐすぎる。それだけで私に当てるだけの速さと技術がないんだから虚実を入れて少しは惑わさないと」
そのまま掌底を腹部に撃ち込む。
強化も何もしていないただの掌底なのだがリオは吹っ飛び砂浜を転がった。
力の差、体格差などあるが、最たる理由は力の発し方の技術である発勁が上手いのだ。
「ま、まだだ……っ」
腹部に手を当てながらゆっくりとフラフラしながら立ち上がるリオ。
しかしその顔は笑顔で八重歯が覗かせている。
「やっぱり悠兄ぃは強いや」
「そりゃね。これまでに密度の濃い人生送ってきてるからな」
「なにそれ」
と、笑うリオ。
悠莉も笑い、構えを取る。
「んじゃ、まだ笑う元気があるようだし続きといこうか」
「はいっ!」
再び攻めてくるリオ。
今度はさっきと違い、次を頭に置きながら攻めている。
しかし、
「考え過ぎでスピードが落ちてるうえに型が崩れかけてる。そんなんじゃ力が上手く伝わらないよ。ま、いろいろ考えているみたいだけど……」
悠莉はリオの腕を掴み、流れるような動作で一本背負い。
「こういうのも予測しておかないとね」
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