暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは -Second Transmigration-
第8話 生きた証
[3/4]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
「な、のは……」
「どうしたの?どこか痛いの?」
「どうかしたのか?悠里?」
なのはと一緒に来ていた恭也さんも来ると、俺は恭也さんに遺書を手渡した。恭也さんはそれに目を通すと、納得したように頷いた。
「……そうか。琉聖さんが」
「なんで……な、んで……」
なんで、父さんが死ななければいけなかったのか。
これが、俺が転生してしまったが故の対価だとでも言いたいのか。そんな考えさえもよぎってしまう中で
ギュ……
「え……?」
驚いて見ると、なのはが俺を抱き締めていた。
それは、なのはが寂しい時や泣きそうな時にいつも使う手であり、なのはにとってはおまじないだった。
「なの、は……?」
「悠里くんがいつも寂しい時にしてくれてるから……だから、今日は私の番だよ」
「俺は……」
「いいんだよ。今は、なのはとお兄ちゃんしかいないから。誰も悠里くんの事を笑ったりしないから」
「ぅ……」
ああ……この子は
「だから、今は泣いて。泣き終わるまで、一緒にいるから」
「う…う、うわぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁん!!!」
この子は……なのはは、なんて優しいんだろうか
なのはに抱き締められて、俺は大声をあげて泣いた。
信じられないことに、病院の霊安室で泣いたときよりも泣いていた。
多分、高町家には声が聞こえてるんだろうけど、今の俺には恥も外聞もない。転生を繰り返して何十年生きていようとも関係ない。
今の俺は、親の死を悲しむただの子供でしかなかったのだから。
それから数10分後
「落ち着いた?」
「……うん」
俺は泣き終えてなのはから離れると、気恥ずかしくなってきた。日頃からなのはの事を妹みたいに見てきたものだから、尚更。
「ありがとうな」
「うん♪」
なのははいつもの笑顔で返事をする。それにつられて、俺も自然に笑っていた。父さんが死んでから5日経って、初めて笑った瞬間だった。
???side
夜の海鳴市の公園に、1人の人がベンチに座っていた。その人物とは、先程までいた箕笠詠瑠である。
「……えぇ。無事に悠里くんへ遺書を渡したわ。家の方も何とかなったから、問題は無いわよ」
『…………』
「そう……それで?あなたはこれからどうするの?琉聖の最後を看取ったのは貴方なのに、悠里くんへ会ってあげなくていいのかしら?」
『…………』
「だからって……わかりました、もう何も言わないわ。それなら、アナタに任せるわ。……えぇ、それじゃあ」
詠瑠はケータイを切ると、ため息を吐いた。
そこへ今度
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ