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魔法少女リリカルなのは -Second Transmigration-
第8話 生きた証
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「な、のは……」

「どうしたの?どこか痛いの?」

「どうかしたのか?悠里?」


なのはと一緒に来ていた恭也さんも来ると、俺は恭也さんに遺書を手渡した。恭也さんはそれに目を通すと、納得したように頷いた。


「……そうか。琉聖さんが」

「なんで……な、んで……」


なんで、父さんが死ななければいけなかったのか。
これが、俺が転生してしまったが故の対価だとでも言いたいのか。そんな考えさえもよぎってしまう中で


ギュ……

「え……?」


驚いて見ると、なのはが俺を抱き締めていた。
それは、なのはが寂しい時や泣きそうな時にいつも使う手であり、なのはにとってはおまじないだった。


「なの、は……?」

「悠里くんがいつも寂しい時にしてくれてるから……だから、今日は私の番だよ」

「俺は……」

「いいんだよ。今は、なのはとお兄ちゃんしかいないから。誰も悠里くんの事を笑ったりしないから」

「ぅ……」

ああ……この子は

「だから、今は泣いて。泣き終わるまで、一緒にいるから」

「う…う、うわぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁん!!!」

この子は……なのはは、なんて優しいんだろうか


なのはに抱き締められて、俺は大声をあげて泣いた。
信じられないことに、病院の霊安室で泣いたときよりも泣いていた。
多分、高町家には声が聞こえてるんだろうけど、今の俺には恥も外聞もない。転生を繰り返して何十年生きていようとも関係ない。
今の俺は、親の死を悲しむただの子供でしかなかったのだから。





それから数10分後


「落ち着いた?」

「……うん」


俺は泣き終えてなのはから離れると、気恥ずかしくなってきた。日頃からなのはの事を妹みたいに見てきたものだから、尚更。


「ありがとうな」

「うん♪」


なのははいつもの笑顔で返事をする。それにつられて、俺も自然に笑っていた。父さんが死んでから5日経って、初めて笑った瞬間だった。





???side


夜の海鳴市の公園に、1人の人がベンチに座っていた。その人物とは、先程までいた箕笠詠瑠である。


「……えぇ。無事に悠里くんへ遺書を渡したわ。家の方も何とかなったから、問題は無いわよ」

『…………』

「そう……それで?あなたはこれからどうするの?琉聖の最後を看取ったのは貴方なのに、悠里くんへ会ってあげなくていいのかしら?」

『…………』

「だからって……わかりました、もう何も言わないわ。それなら、アナタに任せるわ。……えぇ、それじゃあ」


詠瑠はケータイを切ると、ため息を吐いた。
そこへ今度
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