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魔法少女リリカルなのは -Second Transmigration-
第8話 生きた証
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いが、俺が粘って貰うことに成功した。



悠里へ

これが読まれてるってことは、俺はもうこの世には居ないんだろうな。
まず最初に、お前に俺がどんな仕事をして死んだのか、内容は知らされていないだろう。
俺自身も、今のお前に仕事の内容を話すことは出来ない。
納得しないかもしれないが、どうか許して欲しい。

……さて、前置きが長くなったな。

愛莉が死んでから、俺は仕事を休んでお前と一緒に過ごしてから思ったんだ。俺は、悠里と愛莉になにかしてやれたのか?ってさ。
女々しい話だけど、人間ってのはその人がいなくなって初めて気付く生き物でな?……ついこの間まで、愛莉の事を引きずってたんだ。それと同時に、お前の父親としてどうだったか、疑問を持つようになった。
……親に反発して家を出た俺と同じ目に合わせたくなかったしな。
けど、どうやら違ったらしいな。士郎から聞いたよ。『自慢の父さんです』って言ってくれて、ありがとう。
こんな俺を、父親と思ってくれて、ありがとう

俺がお前に伝えたい事はたくさんあるんだけど、これだけは一番お願いしたい。


悠里、優しさを忘れないでくれ。

寂しい思いをしたなのはちゃんと一緒にいて、支えてあげた思いを

恭也が間違えて、1人暴走してしまったときに怒って、それを相手に気付かせてやれた怒りを

それでも相手を許して、誰かの為に泣いてあげることができる優しさを、どうか忘れないでくれ。

どれだけ裏切られても、お前を苦しめても、優しさだけは変わらずにいて欲しい。
それがお前の強さであり、お前は俺と愛莉の、『生きた証』なのだから。

……いよいよ最後だな。
悠里、一緒にいれなくて、本当にゴメン。
俺も、お前の成長がもっと見たかった。誕生日を一緒に祝って、学校に入学して、授業を見に行ったり、お前の彼女や、好きな女の人の話を聞いたり、お前と一緒に酒を呑んだり……
数えだすとキリがないほど、やり残した事が多いけど、

それでも

お前の事を変わらずに愛してる。

ありがとう

生まれてきてくれて

本当に、ありがとう

愛する息子、悠里へ





「……っ……ぅ」


遺書を読み終えた俺はたまらず紙を握り締めて呻いた。それはやがて嗚咽が混じってきて、身体の中から何かがこみ上げてきていた。


「…んだよ、これ……」


こんなこと聞いてない。
確かにこの歳までしか過ごせないって知ってはいたけど、誰がこんな結末になるなんて予想しただろうか?
こんな事になるなら、俺は……


「悠里くん、ご飯できたk……悠里くん!?」


そこへ、俺を呼びに来たのであろうなのはが現れる。なのはは驚きながら、俺に駆け寄ってきた。


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