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儚き運命の罪と罰
第十話「立ち向かうために」
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一秒足らずで行い返事をした。

「ああ、いるぞ。何の用だ、取調べか?」

愛剣が没収されると言うのにその声は恐ろしく冷静だった。
お使いがドア越しにした話はリオンの予想と大差ないものだった。
するりとドアから出てその男についていくことにした。

(僕が抵抗してきたときのことを考えての人選だったのだろうな。)

そう目立つ事のないお使いの横顔を見て思う。クロノやなのはに怪我でもされたら任務に支障が出る。

(だが、好都合だ)

リオンは足を止めた。明らかに訝った様子のお使いがリオンに詰問する口調で「なにを立ち止まっている?」と聞いた。

リオンは世間話でもするような口調で返した。

「もうここに様は無いと思うと存外に寂しい気持ちににもなるのだな、と思っただけだ。」

それを聞いたお使いは目の色を変えて怒鳴った...怒鳴ろうとした

「オイ、それはどういう事だー」

その言葉が言い終わるか終わらないかの内にシャルティエが一閃して、意識を刈り取っていた。なにが起こったか当事者が一番わからなかっただろう。サーチャーでも使って見ていたのかやかましくなるアラームの音とそれに一拍遅れて管理局員の走るドタドタと言う音が響いた。

「これもひさしぶりですね、坊ちゃん。」

「ああそうだな。シャル、やるぞ。」

声は高らかに晶術を組み上げーそれと同時にさほど高くない天上に足が届くほどめいっぱいに高さを使うため飛び上がった。そして――

「「デモンズランス!!」」

紫の槍が出現。そしてそれを狙う、構える、投げる。それらの動作をほぼ同時に行い、

アースラの床から、広がる海鳴市が見えたのを確認して、リオンは笑った。
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