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Blue Rose
第二十一話 海と坂道の中でその六

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「毎日ね」
「水泳ってかなりカロリー使いますよね」
「だからね」
「食べないとですか」
「動けなくなるんだ」
 笑ってだ、優花に話した。
「だから食べるんだ」
「そうですか」
「君もそれ位は食べられるかな」
「はい、多分」
「なら食べよう、あとね」
「あと?」
「ここのお店は豚の角煮も美味しくてね」
 中華料理の逸品の一つだ、濃厚で実にいい味の料理だ。
「それを包で挟んで食べるけれど」
「お饅頭みたいにして食べるんですね」
「そうそう、ただ結構頼んでるし」
 それにとだ、岡島は優花にさらに話した。
「後でカステラも食べるから」
「だからですか」
「今回は見送ろうね」
「わかりました」
「カステラも食べないとね」
 長崎にいるならというのだ。
「だからね」
「カステラいいですよね」
「もう何度も食べてるよね」
「はい」
 療養所でよくおやつで持ってきてくれる、だから優花も既に何度か食べているのだ。
「美味しいですね」
「それで今日もね」
「食べるからですね」
「豚の角煮はね」
 それはというのだ。
「見送ろうね」
「わかりました」
 優花は自分の向かい側の席に座る岡島の言葉に素直に頷いた。
「それじゃあ」
「その三つを食べようね」
「そうですね」
「ちゃんぽん定食って感じかな」
「炒飯と餃子もね」
「そうなるかな」
 岡島は笑ってこうも言った。
「それは」
「そうですね、確かに」
「この組み合わせはね」
 笑顔のままだ、岡島は優花に話す。
「中華料理の組み合わせとしてはね」
「日本ではですよね」
「そう、王道だね」
「ちゃんぽん定食ですね」
「そうそう、ただね」
 そのちゃんぽん定食についてだ、岡島はこうも言った。
「西日本だけだよ」
「東の方では炭水化物をおかずにしないですからね」
「そうなんだよね」
「あれは本当に西だけですね」
「うどん定食とかお好み焼き定食とかね」
「全部そうですよね」
 そうした炭水化物をおかずにするのは西日本のことであり東日本ではない、このことは日本の食文化の地域性と言うべきか。
「神戸では普通ですけれど」
「お好み焼き定食だね」
「はい、よく食べてました」
「僕もだよ、今でもね」
「こうしてちゃんぽんと炒飯一緒に食べますし」
「餃子もね」
 こちらもというのだ。
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