子を愛する親
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か深呼吸した後、太史慈に言う。
「この子達は絶対に守り通す。」
一刀の言葉と覚悟が灯った眼を見て太史慈は頷いて、後ろを振り返る。
後ろから賊の悲鳴と鈍い音が聞こえる。
子供達は足を止めて、振り返ろうとするが一刀が前を見て走れ、と言う。
後ろを確認すると三人の賊がこちらに向かっていた。
どうやら三人逃してしまったらしい。
一刀は足を止めて賊の迎撃に備える。
足にばらつきがあるのか、一番先頭にいる賊が剣を持って走ってくる。
「どけぇ!!」
そう言いながら一刀の頭を両断するかのように剣を振るう。
それを横に一歩移動して避け、すれ違い様に空いた胴に全身の力を込めた一撃を繰り出す。
「ぐぅう!!」
胴に一撃を貰い、腹を押える賊。
後ろから木刀を振るい面を打つ。
後頭部に一撃を貰い、意識を失う。
すぐさま後ろを振り返る。
次にやってきた賊は一刀が戦える事を分かったのか、突撃せずに様子を窺う。
相手は真剣、一刀は木刀。
鍔迫り合いをすれば勝敗は聞くまでもないだろう。
故に一刀は自分から仕掛ける事はできない。
だが、後ろから三人目の賊がすぐそこまで来ている。
今の一刀の実力を考えると二人を相手にする事はできない。
時間をかけるだけ不利になる。
一刀に選択している余裕はなかった。
両手で木刀を持って、賊に近づく。
賊は持っている剣を横一閃に振り抜く。
日頃、縁の剣を見ているからか。
賊の剣速がとても遅く見えた。
(これならかわせる!)
片足で地面を踏ん張り、動きを直前で止める。
賊の剣は空を切り、一刀は出来た隙を埋めるように前に進む。
「めぇぇぇんん!!」
声と共に面を力一杯打つ。
額に一撃を喰らった賊は膝を折り、仰向けに倒れ気絶する。
油断することなく最後の賊に視線を向ける。
最後の賊は一刀が強く見えたのだろう。
ジリジリ、と後ろに下がりながら様子を窺っている。
その時、後ろから賊を殲滅した太史慈がやってきた。
持っている鉄鞭で賊の頭部を凹ませる。
その一撃で賊は絶命する。
「追手の賊は何とかしました。
そちらは?」
「こっちも何とか。」
人が目の前で死ぬのはまだ慣れていない一刀は少し気分が悪くなる。
二人は後ろにいる筈の子供達と星を追い駆ける。
村に着く前に星が槍を持ってこちらに向かっていた。
「一刀殿、太史慈殿。
お二人の姿が見えなかったから心配しましたぞ。」
「後方に賊が居たのでその対処を。」
「子供達は?」
「無事に村まで送りましたぞ。
これから縁殿の応援に向かうつもりです。」
「でも、残りの賊が村を襲ったら・・・・」
一刀は心配そうな声で言う。
「私もそう思って、残ろうか
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