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我が剣は愛する者の為に
子を愛する親
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賊達はその男がこちらに近づいているのを知ると勝利を確信したような顔をする。

「あんた終わりだぜ。
 あの人がきた以上な。」

この賊達の口ぶりからするに村の人が言っていた一番強い人なのだろう。
確かに体格を見ると明らかに他の村人と一線を引いていた。
その雰囲気から察するに武人である事は一目してすぐに分かった。
その場にいた賊は左右に分かれて道を開ける。
開かれた道を男は歩き、縁から十メートルくらい開けた距離で止まる。
鋭い眼光が縁の眼を捉える。
その眼光を見ても縁は少しも怯むことなく見つめ直す。
すると、男はふっと笑う。

「儂の眼を見て、少しも怯まぬか。
 中々骨のある男よ。」

顔に見合った低い声で話しかける。

「そりゃあどうも。
 それであんたが村の人が言っていた。」

「おうよ。
 儂の名は丁奉、字は承淵。
 お主の名は?」

「関忠統だ。」

「この襲撃、村の為にしてくれたことは知っておる。
 じゃが、娘が人質に取られているのじゃ。
 悪く思わんでくれ。」

肩で背負っていた斧を両手で掴み構える。
それを見て縁も気を引き締める。





子供達を村まで避難させる為に一刀達。
縁が賊達を引き付けているおかげか、今の所賊達はこちらに来ていない。
今の内に出来るだけ遠くに逃げる必要があるのだが。

「北郷さん、賊が追って来ています。」

隣にいる太史慈が小声で話しかける。
子供達には後ろを見ずに村まで走れ、と言ってある。
先頭には星、後ろに一刀と太史慈がいる。
軽く後方を見ると、二十人はいるだろうか。
かなりの数の賊が追って来ている。
隣の村まで子供の足だと十分といったところ。
さらに森の中なので走りにくい事も合わさってさらに時間がかかるだろう。
太史慈は二刀の鉄鞭を持ちながら言う。

「私はもう少し下がって賊を迎撃しに向かいます。
 それでも全員を倒す事はできないでしょう。
 逃がした賊の処理をお願いします。」

「でも、俺は木刀・・・」

弱気な事を言おうとする一刀の言葉を遮って太史慈は厳しい言葉を投げかける。

「そんな事を言っている場合ではありません。
 これは子供達が一人でも掴まった瞬間、私達の負けになります。
 今から趙雲さんをこちらに呼んだら、子供達が不安になります。
 それに前に回り込まれた時に迅速に対応できる人が前にいないと駄目です。
 殺す必要はありません、気絶させるだけで充分なんです。」

一刀は手に持っている木刀を強く握りしめる。
あの時、縁に言われた。
天の御使いとしての仕事。

(俺ならやれる。
 あの縁と一緒に修行して来たんだ。
 こういう時に戦う為に。)

何度
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