SIDE:A
第八話
[2/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
だな)
教壇を中心に扇状に横長の机が等間隔で置かれており、それが階段状に展開されている。
パッと見ると前世でいうところの大学のような教室のつくりになっていた。
俺の姿を見て早速席を立つ奴らを発見。俺も笑みを浮かべて彼らの元へ向かった。
「ようお前ら! ハルト、本当にお前も一緒なんだな!」
「わんっ」
「おう。特例だけどな」
「おはようキバくん!」
最初に声を掛けてきたのは赤丸という名の子犬を頭に乗せたフードを被った少年――犬塚キバ。
勝気な笑顔を浮かべたガキ大将のような少年だ。
「今年から俺たちもアカデミー生か、めんどくせぇ。ま、よろしくな」
「ああ、よろしく」
「シカマル、居眠りはしちゃだめなんだってばさ」
「あー、まあ気が向いたらな」
気だるそうに答えながら片手を上げたのは奈良家の長男、奈良シカマル。
影を操る独特の秘伝を使う一族の人間で、いつもやる気なさそうな態度をしているが、その実知能指数二百以上という切れ者だ。俺もたまにシカマルの家に行っては彼と将棋や囲碁を指すが一度も勝ったことがなかったりする。ちなみにシカマルの父は息子以上の腕前だ。親子揃って頭良すぎだよ。
今日もまるでパイナップルのように髪をつむじ辺りで一つに縛っている。
「もぐもぐ……ポテチ食べる?」
「遠慮しとくよ。チョウジは相変わらずだな」
「まあね。食事は大事だよ」
「汐音は食べるー! あ、これ限定ポテチのカルビ味だ!」
「なんと! 妾ももらうぞ太っちょよ」
「いいよいいよ〜」
もりもりとポテチを食べているのは秋道チョウジ。
自称ぽっちゃり、通称デブの食いしん坊だ。父も同じく大食いで恰幅のいい体格をしており、太っているのは一族共通で歩む道らしい。
甘いものに目がない汐音とクーちゃんが嬉々としてポテチの袋に手を突っ込んだ。
「今日という日を楽しみにしていた。なぜなら俺はお前を目標にしているからだ、ハルト」
「シノか。俺も楽しみだよ。お互い頑張っていこうぜ」
「ああ」
互いに拳を合わせる。俺たちの中で流行っているやり取りだ。
物言いがクールなこの少年は油女シノ。蟲使いの一族でサングラスが特徴。寡黙かつ冷静沈着な性格で論理的な考え方をする個性的な少年だ。
口数は多くないが静かな雰囲気が不思議と合い、一緒にいるとリラックスできるためよく行動をともにしたりする。
「ハールト! 会いたかったわー!」
「うぉっと……! おい、いの! いきなり抱きつくなって」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ