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詩集「棘」
君のいない刹那を重ねて

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今日はどうだった…
口に出しては苦笑して
手を伸ばした青い空へ
ため息を一つ…ついてみた…

思うようにならない現実は
消えゆく時の砂時計
こびりついた淋しさは
水面に映る月明かりのように…

君のいない刹那を重ねて
辟易とした世界を眺める
生きてくことの虚しさは
影だけを重く引き摺らせて…


いつ逢えるのかな…
思うだけでは何も叶わず
はばたく鳥を羨んで
恋しいと想い…洩らしたよ…

意味なんて初めからありもせず
この手に出来るものはない
擦り抜けてく季節(トキ)の中
迷路のような現を一人…

君のいない刹那を重ねて
ただ繰り返すこの無駄な足掻き
恋しさだけが募っても
所詮は儚い土人形…


夏が翳ってくよ…
君のいない二度目の夏が…
淋しくて見上げた空は
フワリと…高くなってく…

君のいない刹那を重ねて
それでも君だけを想い続け
願って祈り眠っても
夢の中でも君には逢えず…

君のいない刹那を重ねて
辟易とした世界を眺める
生きてくことの虚しさは
影だけを遠く棚引かせて…




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