第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#9
DARK BLUE MOON 〜Sapphired Moment〜
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型に繋がれる、
まるで画板を幾つも折り重ねたかのように分厚い異様に大きな 『本』 から。
「……」
美女はその喋る 『本』 に細い視線を流し、吐き捨てるように言う。
「“マルコシアス!” アンタがいつもいつもそんないい加減な調子だから、
“ラミー” なんて弱っちい雑魚をいつまでもいつまでも追う羽目になってんのよ!
今回だって “アノ人間達の協力” がなかったら一体どうなってたか? 」
マルコシアス、と言うらしいその喋る 『本』 は再び耳障りな銅鑼声で
美女の問いに言葉を返す。
「アァ〜? SOS団とか言ったかぁ?
アノ妙な能力を持つ人間を集めこんで、シコシコ研究してるヤツらはよぉ〜」
「“S P W 財団” よ。
ソコに他人の記憶を 『掘り起こして』 その居場所を
探査できる能力者がいたからいいようなものの、
そうでなかったらどうなってたか解ってるの?
あのクソ野郎が中東付近で姿を消した後、外界宿にも一切情報が
落ちてこなかったのを忘れたわけじゃないでしょう?」
生真面目に不機嫌という器用な面持ちで己に問う永年の相方に対し
その 『本』 マルコシアスは変わらない銅鑼声で大雑把に返す。
「終わりよければスベテ良しでいーじゃねーか、我が麗しの酒 盃
“マージョリー・ドー” 万が一逃がしたとしても
今度ァ頼るツテがあるんだからよぉ〜!」
マージョリーと呼ばれた女性はあからさまにムッとした表情で、
ボスン、と本の表面をブッ叩く。
「“アイツ” に同じ手が二度通用すると想ってんの!?
背後の因果関係速攻で割り出されて協力者の方が先に殺られるわよ!
あのラインは今後も役にたつから残しておくに越したコトはない!
私達がブチ殺さなきゃならない “徒” は他にも星の数ほどいるんだから!
それこそ虫酸が走る位にねッ!」
ヒステリックな台詞を淀みなく一 息で言い切った美女に対し、
彼女の抱える 『本』 はからかうように澄んだ口笛を奏でる。
「ン〜、いつになくお熱いこって、ほんじゃあ今回は、
一つマジメに殺るとするかァ〜」
「そーよ。マジメに殺るのよ」
美女はそう言うと街路に備え付けのベンチに腰を下ろして麗しい脚線美を組み、
肩から降ろした 『本』 を己の右脇に置く。
「兎に角、こんな国に来たのは私もアンタも初めてなんだからとっとと
“案内人” を見つけてちょうだい。私はあのクソ野郎を逃がさず喰い破るコトだけに
集中したいから」
そう言ってその眼筋のハッキリした双眸を閉じ、
仮 想 戦 闘に入る美女に対し、
「あいあいよ〜♪」
と脇に置かれた 『本』 から|磊落《らいらく
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