機動戦艦ナデシコ
1424話
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その特徴的な長い黒髪を振り乱しながら告げる月臣に、ヤマダが近づいていく。
「馬鹿野郎!」
そう告げ、振るわれる拳。
……おい。俺が押さえてるって事を忘れないか? 今のままだと一方的に月臣が殴られるだけだと判断して、月臣の掴んでいる腕に少しだけ力を入れてその身体を操り、ヤマダから殴られる一撃の被害を最小限にする。
「上の言葉に従ってるだけなら、それはキョアック星人と変わらないだろうが! お前の中にもゲキガンガーを愛する心が……ゲキガン魂があるんだろ! お前は、そのゲキガン魂に胸を張って言えるのか? 自分がこれからやろうとしているのは、全く間違ってはいないってなぁっ!」
その言葉を聞いた瞬間、俺が掴んでいる月臣の腕に一瞬だけ力が入る。
……やっぱりこいつらの説得ってヤマダに任せるのがベストなんだよな。
月臣の動きが止まったのを確認し、掴んでいた腕を離す。
「言ってみろよ! お前の中にあるゲキガン魂に胸を張れるかどうかをな!」
「それは……だが、この件は草壁中将が……」
ヤマダの言葉に言い淀む月臣だったが、その言葉は弱い。
「元一朗。こう言っては何だが、お前もシャドウミラーの実力については十分に理解している筈だな? そのシャドウミラーを相手に、俺達が戦って勝てると思うのか? 根性や熱血といったものではなく、純粋に実力差だけで考えてくれ。このまま草壁中将に従って木連を動かしていけば、俺達はシャドウミラーと戦うことになる」
「……」
白鳥の言葉に月臣は黙り込む。
純粋に両勢力の実力を考えれば、どうなるのかというのは考えるまでもなかったからだ。
そして……数分の沈黙の後、月臣は小さく頷きを返してこちらの話を聞く体勢を取るのだった。
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