機動戦艦ナデシコ
1424話
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ているかのように。
それを確認すると、俺は気配遮断を使ったまま月臣の後ろへと移動する。
「そうだ。今のままでは、木連は破滅への道を進むことになると俺も九十九も思っている」
「……その言葉は、誰からのものだ? そっちの男は初めて見る顔だ。優人部隊の軍服を着ているが、優人部隊の者ではないな?」
月臣の口から出た言葉に、少しだけ驚く。
優人部隊は木連の精鋭だ。つまりそれだけ人数は少なく、所属しているのも他の部隊よりも少ないだろう。
だがそれでも、100人、200人といった規模ではないのは確実だ。
けど月臣はその人数全員の顔を覚えていると言ったも同然なのだから。
……いや、それくらいなら普通なのか? 1000人規模なら無理かもしれないが、100人規模なら全員の顔を覚えるのも可能、か?
そんな風に考えている間にも、目の前の会話は進んでいく。
「そうだ。この男はダイゴウジ・ガイ」
「……ダイゴウジ・ガイ? 聞いた覚えがない名前だが」
「だろうな。木連の人間ではないのだから当然だ」
「木連の人間では……ない? それに先程の言葉……九十九、貴様まさか!」
その言葉が決定打となったのだろう。月臣は立ち上がりながら懐から銃を取り出そうとして……
「そこまでだ」
銃口が白鳥や秋山、高杉、ヤマダに向けられる前に月臣の腕を掴む。
行動に移した事で気配遮断が解除され、俺の姿を他の者達が見られるようになる。
攻撃体勢に入ったり、こうして直接行動を起こせばスキルの効果が切れるってのは、少し面倒だよな。
いやまぁ、あくまでもアサシンのスキルなんだし、隠れるのが優先と言われればそれもそうなんだろうが。
ともあれ、銃を取り出した月臣はいきなり自分の腕を止められた事に驚き、次にそれを行ったのが俺だというのに驚く。
「アクセル・アルマー!? 何故お前が木連にいる! いや、そうか、九十九や源八朗、三郎太がこんな事を言い出したのは、全てお前の策略か!」
それを否定しようとし……すぐに月臣の言ってる事は決して間違っていない事に気が付く。
そうなんだよな。確かに今回の件は俺がもたらしたんだから、月臣の言葉はこれ以上ない程に核心をついている。
ただまぁ……
「別に俺は白鳥達を脅したり、強制したりといった事はしていない。情勢を正確に話しはしたけどな。それを聞き、考えた上で白鳥達が出した結論だ」
「そうだ。アクセル代表が言ってる通りだ。別に俺達は強制されている訳ではない。純粋に現状を考えた上で、木連が進むのは茨の道であると、それどころか仁義に反している道だと判断したんだ。……元一朗、聞け。お前は本当に今の木連の行動が正しいと思うのか?」
「それは……だが、草壁中将を信じずしてどうする!」
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