機動戦艦ナデシコ
1424話
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断を使っているところも見てはいた。
だが、やはり姿が見えないというのは3人にとって落ち着かないのだろう。
ちなみにこの茶室があるって事は、多分木連には茶道とかが広まっているのか?
いや、木連の人間は日系人……日本人が多いから不思議じゃないんだが、何だかまともな茶道が伝わっていないように思えるのは俺の気のせいか?
この場合、木連式茶道……となるのだろうか。
ゲキガンガーの影響を受けて、独自に発展してそうだな。
そんな事を考えていると、やがて茶室の扉……しゃがまなければ入れないような扉が開き、2人の人間が姿を現す。
最初に入って来たのは月臣で、その次に高杉が。
月臣は茶室の中にいるのが白鳥と秋山だけではなく、全く見知らぬヤマダがいるというのに少し驚きの表情を浮かべるが、それだけだ。
白鳥と秋山の2人が特別な反応をしていないというのも大きいんだろうが、そのまま茶室の中に入ってくる。
「九十九、源八朗、どうした急に呼び出して。何か話があるなら、通信でもいいだろ? 今は色々と忙しい時期なんだから」
「それだ、元一朗」
白鳥が口を開く。
最初から俺が出ても良かったんだが、月臣とは何だかんだと接する時間が少なかったからな。しかもその気の強さは身に染みて分かっているので、出来れば白鳥が説得を成功してくれると俺も月臣と接触しなくて済んで最善なんだが……無理だろうなぁ。
「それ、とは? 地球侵攻作戦の事か?」
「ああ。……率直に聞く。お前は本当に今回の草壁中将の策が上手くいくと思っているか? 連合軍やネルガルだけなら、まだ俺達にも勝ち目はあるだろう。だが……向こうにはシャドウミラーがついている。その実力がどれ程のものなのかというのは、元一朗もよく知っているだろう? 本気でどうにかなると思っているのか?」
「それは……」
月臣もその辺には自信がないんだろう。微かに言い淀み……だが、それでも次の瞬間には首を横に振って口を開く。
「俺達は草壁中将の言葉に従うだけだ。……違うか?」
「違う」
「……何?」
てっきり白鳥は自分の言葉に同意をするものだとばかり思っていた月臣だったが、白鳥から戻ってきたのは否定だった。
それも考えた上での否定ではなく、即座の否定。
月臣の視線が、白鳥から秋山の方へと変わる。
「源八朗、お前も九十九と同じ考えなのか?」
そう尋ねた月臣の視線は、友人へと向けるものではない。どこか敵へと向けるものに近い。
月臣の中で、白鳥と秋山の言動は既に草壁へと逆らうものとなり、敵に等しいという思いが強いのだろう。
後ろから見ている俺だからこそ分かったが、座っている状態のままそっと……微かにではあるが態勢を変えている。
そう、まるで何か行動へと移そうとし
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