第36話
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」
クレア大尉がサラ教官とレンの後ろから現れてサラ教官の隣で立ち止まった。
「クレア大尉……」
「ふむ、これはまた珍しい組み合わせだな?」
「あたし達の本意じゃないけどね。―――知事閣下の伝言を伝えるけど明日の実習課題は一時保留。代わりに、このお姉さんたちの悪巧みに協力する事になりそうね。」
「え。」
「悪巧み……ですか?」
サラ教官の説明を聞いたリィン達はそれぞれ目を丸くして互いの顔を見合わせた。
「ふう………サラさん。先入観を与えないでください。その、実は”Z組”の皆さんに協力して頂きたい事がありまして。知事閣下に相談した所、こういった段取りとなりました。」
サラ教官の言葉に溜息を吐いたクレア大尉がリィン達に説明すると、タイミング良く鉄道憲兵隊が使用している装甲車が近くに到着した。
「さあ、どうぞお乗りください。ヘイムダル中央駅の司令所にて事情を説明させて頂きます。」
そしてリィン達は装甲車に乗り込んでヘイムダル中央駅の司令所に向かった。
同日、21:30―――
〜鉄道憲兵隊司令所・ブリーフィングルーム〜
「テ、テロリストっ!?」
クレア大尉から事情を聞いたマキアスは信じられない表情で声を上げた。
「ええ、そういった名前で呼称せざるを得ないでしょう。ですが目的も、所属メンバーも、規模と背景すらも不明……名称すら確定していない組織です。」
「ま、まるで雲を掴むような話ですけど……」
「―――ノルド高原において紛争を引き起こそうとした”あの男”ですね。」
「……ヤツか。」
「…………」
「”G”―――”ギデオン”だったわね。」
リィンの言葉からノルド高原に特別実習に行っていたメンバーはかつての出来事を思い出した。
「……そなた達がノルドの地で出くわしたという男か。」
「確かにテロリストとしか言いようがないかも。」
「そ、それが明日の夏至祭初日に何かを引き起こすと……?」
「ええ、我々はそう判断しています。帝都の夏至祭は3日間……しかも他の地方のものとは異なり、盛り上がるのは初日くらいです。ノルドの事件から一ヶ月……”彼ら”が次に何かするならば明日である可能性が高いでしょう。」
「ま、あたしも同感ね。テロリストってのは基本的に自己顕示欲が強い連中だから。そのギデオンって男がわざわざ名前を明かした以上、本格的に活動を開始するはずよ。」
「レンも同感。テロリストは自分達がやっている事が”正義”だと思っているのが大概で、自分達の行動を正当化する意味でも目立ちたりがりやだもの。」
クレア大尉の意見にサラ教官は真剣な表情で頷いて説明を続け、
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